2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and significance of immune receptors sensing epidermal barrier lipids
Publicly Offered Research
Project Area | Reevaluation of self recognition by immune system to decipher its physiological advantages and pathological risk |
Project/Area Number |
23H04795
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
平林 哲也 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 主席研究員 (90345025)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 炎症 / 皮膚バリア / アシルセラミド / サイトカイン / ケラチノサイト / 角層 / 魚鱗癬 / ランゲルハンス細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮ケラチノサイトに特異的に存在し、バリア機能に不可欠なアシルセラミド代謝経路が障害される先天性魚鱗癬モデルマウス4系統を用いた解析から、主に以下のような研究の進展があった。 各マウス系統の皮膚における遺伝子発現をマイクロアレイ解析により網羅的に比較すると、ケラチノサイトの活性化ならびに炎症性免疫応答を起こす系統(Pnpla1欠損マウス、Abca12a欠損マウス)と、ほとんど起こさない系統(Sdr9c7欠損マウス、Cyp4f39欠損マウス)に明確に分類された。前者では、炎症性サイトカイン(IL-1α、IL-6、IL-23a、IL-33、TNFαなど)やケモカイン(CXCL1、CXCL5、CXCL10など)、ケラチノサイト活性化マーカー(Krt6a、Krt6b、Krt16、S100a8、S100a9など)が共通に上昇していた。一方、ケラチノサイト分化マーカーに関しては、フィラグリン類似のFlg2が減少するのに対し、角化細胞の周辺帯 (cornified cell envelope) の構成要素(Lce3b、Lce3c、Sprr1a、Sprr1b、Sprr2b、Sprr2e、Sprr2gなど)が増加するという特徴が見られた。そこで、GM-CSF存在化で分化誘導した骨髄由来樹状細胞(BMDC)に対して、表皮から抽出した脂質をプレートに固相化して作用させると、先天性魚鱗癬モデルであるPnpla1欠損マウス由来の脂質によって、炎症性サイトカインの産生が強く誘導された。したがって、この欠損マウスの表皮には炎症誘導性の脂質成分が含まれていることが示された。さらにこのマウスでは幼弱なランゲルハンス細胞が顕著に増加することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アシルセラミド代謝経路の異常によって生じる表皮脂質により、骨髄由来細胞の活性化やサイトカイン産生が惹起されることが示され、研究課題の中心となる仮説が概ね正しいことが示唆されたものの、責任脂質およびその受容体の同定に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Pnpla1欠損マウスの表皮における脂質代謝異常を免疫細胞が認識する分子機序を明らかにするために、引き続き責任脂質分子と受容体のスクリーニングを進め、炎症応答に関与するシグナル伝達経路を検討していく予定である。また、魚鱗癬モデルマウスの表皮を用いて、シングルセルRNA-seq解析等を行うことで、どのような細胞集団が炎症等々に関わっているのかを明らかにする。
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