2014 Fiscal Year Annual Research Report
司法面接における子どもの語り:質問形式と応答の関係性について
Publicly Offered Research
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
24101508
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田中 晶子 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (10369689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 司法面接 / 児童虐待 / 目撃証言 / NICHDプロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、欧米で用いられている司法面接の手法が日本においてどの程度有効であるかについて検証することを目的としている。本年度(平成26年度)は、日本における司法面接の手法の有効性について検証するための調査を行った。 調査に先立ち、研究協力者が視聴するDVDを選定した。一昨年度(平成24年度)の予備調査において使用した邦画の一部は、視聴時間が長く、分析対象となる事象が膨大となることが判明したため、新たに刺激となる動画を撮影・編集し、本調査において用いることとした。また、動画の作成と並行して、調査協力者の募集や日程の調整等を行い、調査実施の準備を整えた。 また、予備調査の結果をふまえ、調査対象となる子どもの保護者向けの質問紙を作成した。これは、普段の子どもの語りに関する質問紙(子どもへの日常的な語りかけ・これまでに経験した子どもからの出来事の報告エピソード等について問うもの)であった。 調査は平成26年度12月から3月にかけて、6歳児6名、7歳児2名(計8名)の子どもとその保護者(母親7名、父親1名の計8名)が調査協力者として調査に参加した。 子どもに対しては、作成した動画を視聴した後、その内容について司法面接の枠組みを用いた面接を行い、質問と応答との関係性について分析を試みた。保護者に対しては、子どもの調査の後に、インタビュー形式で、子どもの語りに関する質問紙を実施した。子どもに対する面接については、ICレコーダーで録音したものを逐語禄におこし、保護者の質問紙については集計を行った。今後は、新たな調査協力者のデータも含めて、総合的にデータを分析し、結果の考察を行うことにより、司法面接の有効性について検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、本年度中に調査(データ収集)と分析を完了する予定であった。実際には、おおむねデータの収集は完了しているが、数名の調査対象者のデータを収集することが出来ず、そのため分析も半ばの状態である。予備調査の結果をうけて刺激となる動画を作成し直したことや、調査対象者との日程調整がスムーズに運ばなかったことなどが原因として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度完了できなかった調査対象者の調査(データ収集)を実施する予定である。そして、総合的なデータ分析、考察を行い、司法面接の有効性や大人と子どものコミュニケーションについて検証を行いたい。 また最終年度であるため、結果の公表作業(学会発表・論文執筆・報告書作成)にも対処する。さらに、研究協力者の希望に応じて研究成果の報告(報告書の送付や報告会の実施)を行い、子ども語りについての研究成果について広く共有をはかりたいと考えている。
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Research Products
(1 results)