2013 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性分子の分子設計のための理論化学的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
24102520
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
相田 美砂子 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90175159)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生理活性 / 非経験的分子軌道法 / 水和 / モンテカルロ法 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
天然物リガンドに関しての構造や反応性等の情報を収集した。非常に多種類のものが存在するが、構造に関する分類として次の2種類に分けた。(1) 環境の変化により、構造があまり変化しないと予想されるもの、および、 (2) 環境により、構造が大きく変化することが予想されるものである。 トリメチルアミンオキシド(TMA)は、(1)の代表例である。この分子の電子構造および水和構造を明らかにするための計算を実行した。TMAは、浸透圧調整物質として良く知られているが、蛋白質のフォールディングに影響を与えることも知られている。TMAの構造が水和によってどのように変わるのか、またTMAがまわりの水分子にどのような影響を与えるのか、について、非経験的分子軌道法と分子力場法を組み合わせた計算を進めた。その結果、TMAの幾何学的構造は水和によってほとんど変化しないが、非常に特徴的な水和構造が形成されることが明らかとなった。TMAの影響により、直接水和している水分子だけでなく、そのまわりの水分子が特徴的な配向をする。これは、生理活性分子の作用機序に関して、新たな視点を提示するものである。 グルコース(α体とβ体)とマンノース(α体とβ体)は、(2)の代表例である。単糖には、分子内水素結合の仕方により、さまざまな安定構造がある。QM/MM計算を実行することにより、孤立状態においての安定な構造と、水溶液において見いだされる構造が異なることを見出した。水和の効果をPCM計算で見積もった場合には、そのような構造変化は表れない。グルコースとマンノースそれぞれのα体とβ体(アノマー)の水溶液中における安定性の違いをQM/MM計算により正しく予測することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)