2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来生理活性物質の作用機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
24102530
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
神澤 信行 上智大学, 理工学部, 准教授 (40286761)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 植物 / 生理活性 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、LOF-MetEの結合がどの様な生理的意義を持っているのか、その経路を明らかにするため、以下の4つの課題について研究を実施している。 1, 翻訳後修飾の解析: MetE自身が翻訳後修飾され、その生理活性を制御している事が考えられたため、MetEに対して作製した抗体を用いて、二次元電気泳動法によるMetEのスポット変化を経時的に解析した。しかし、発現量や発現パターンに顕著な日周変動は見られず、今後リン酸化抗体を用いた再検討が必要と考えている。 2, LOF-MetEの結合部位の特定: In vitroにおけるLOF-MetEの結合実験を精査した結果、LOFの結合によりMetEのSDS-PAGE上での移動度が変化する事が確認出来た。そのため、各バンドを切り出し、酵素消化後のフラグメントパターンを質量分析したところ、あるアミノ酸を含むフラグメントのみ質量に変化が見られた。そこでそのアミノ酸を含む複数のアミノ酸を点突然変異させ、結合能の変化を解析したが、LOF-MetEの結合に変化は見られなかった。この事は、LOF-MetEが特定のアミノ酸に特異的に結合しているのではなく、複数のアミノ酸が結合に関与している事を示している。CMP法は弱い結合を検出出来る実験系として開発された事から、今回のLOF-MetEの結合状態を明らかにすることで、CMP法の有用性に言及できるものと考えている。現在は、複数箇所に変異を持つMetEを準備し、その結合性を評価しようとしている。 3-4, LOF-MetEの結合に関与する因子と、就眠運動に関与する因子については、まずいくつかの関与すると考えられる候補をあげ、それらについてin vitroでの検証を繰り返しているが、明瞭な関連性を示すものは無く、候補の絞り込みを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エビスグサはシロイヌナズナなどと比べると大型であり、室内で管理できる簡易型のインキュベーター内では育成が困難である。そのため経時的な解析は期間が限られ解析が遅れているものもある。しかし、結合部位の特定については当初の予定を超えて解析の範囲が広がっており、おおむね順調との評価が下せる。新規の関連因子の解析に関しては、着実に候補を絞り込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現状のままの進行で大きな計画変更は必要ないと考えている。しかし、新規の関連因子の検索に関しては、検索方法の幅を広げる必要があり、今後、モデル植物の変異株を利用した解析も検討する。
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Research Products
(4 results)