2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピンのコヒーレント初期化の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Quantum cybernetics - interdisciplinary studies of quantum controls and developments toward quantum computing |
Project/Area Number |
24102702
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 名誉教授 (60111580)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ZnO / 電子スピン / トリオン / 時間分解カー回転 / コヒーレント初期化 |
Research Abstract |
<ZnO:Gaのトリオン共鳴カー回転> 核スピンがゼロになる核の自然存在比が大きいため長いスピン緩和時間T2*=12nsを持つZnO薄膜中のGaドナー(濃度6×1017cm-3)により与えられた局在電子からトリオンを生成する共鳴励起によるスピン初期化の過程を調べた。すでにフェムト秒時間分解カー回転測定法では共鳴スピン増幅を用いて長い緩和時間T2*=12nsを精度よく求めたが、スペクトル幅が0.2meVと狭いピコ秒パルス(2ps)を使った時間分解カー回転測定法を用いて、A励起子の低エネルギー側の裾でレーザーエネルギーを変えてカー回転を調べると、A励起子とD0X共鳴エネルギー近傍で電子のカー回転信号(磁場0.5Tのとき周期74ps)が符号を変えながら増強される。特にD0X共鳴エネルギー近傍では、D0Xの発光ピークおよびその2meV-4meVほど低エネルギーでも電子のカー回転信号が増強される。さらにD0X共鳴エネルギー近傍では、120fsの時間分解カー回転測定法で全く見えなかった電子の才差運動以外の微細な振動構造(周期19ps)がカー回転信号の立ち上がり部分に観測された。 <CdS量子ドットの電荷移動とスピンディフェージング> 高効率量子ドット太陽電池においては極めて重要な要素であるCdS量子ドット(平均直径=2.8nm)から電子輸送TiO2ナノ粒子や正孔輸送ポリマー分子への高速電荷移動を、室温で時間分解ファラディ回転を用いて異なるg因子を持つ電子、正孔や励起子による信号を分離してスピン歳差運動とディフェージングを測定した。時間分解ファラディ回転信号はg=1.95の局在電子の歳差運動がもたらす減衰振動成分と正孔・励起子のg因子の異方性がもたらす非振動成分からなり、室温でT2*=0.35nsの量子ドット集団にある局在電子のスピンディフェージングと正孔輸送ポリマーへの正孔が少しゆっくり移動しているのが観測された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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