2012 Fiscal Year Annual Research Report
仮想3Dマージン法による早期肺癌区域切除術シミュレーションの臨床応用
Publicly Offered Research
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
24103706
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩野 信吾 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335034)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肺癌 / コンピュータ支援診断 / 縮小手術 / 3次元CT |
Outline of Annual Research Achievements |
早期肺癌に対する手術療法として肺機能をできるだけ温存する肺区域切除術が普及しつつある。区域切除術は標準的術式である肺葉切除術と比べて切除範囲が狭いため術後の呼吸機能を温存できるというメリットがあるが、過去の研究結果では切除断端を含めた局所再発率が肺葉切除術よりも高いことが指摘されている。申請者は切除マージンを必要かつ十分に確保する術式を選択するための3D-CTを用いた肺癌の区域切除術の術前シミュレーション法(仮想3Dマージン法)を考案した。本研究課題の目的は、この仮想3Dマージン法による肺区域切除術シミュレーションに基づいた早期肺癌手術の臨床的有用性・安全性を検討することであり、本年度は過去症例について後向きに検討した。2011年4月から2012年7月に名古屋大学医学部附属病院において仮想3Dマージン法に基づいて区域切除術を行った原発性肺癌について、術前CT画像および仮想3Dマージン法による手術シミュレーションレポートと手術記録、カルテ、病理所見を比較検討した。径2cm以下で、thin-section CT上でスリガラス影を主体とするnon-solid typeの腫瘍について抽出を行ったところ6症例(男性3名、女性3名)が合致した。最低限の切除マージンを2cmとする仮想3Dマージン法で計画された術式と実際に行われていた術式はほぼ一致しており、いずれの症例についても病理組織学的に切除断端陰性であることを確認することができた。本研究結果については医学雑誌に現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮想3Dマージン法による肺癌区域切除術の後向きの初期的検討でその手法の安全性を確認することができ、今後の研究継続が可能となり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
過去に当施設で行われた肺区域切除術症例(約20症例)について仮想3Dマージン法でシミュレーションした結果と対比し、シミュレーション通りに区域切除術を行うことで腫瘍の残存・再発を防止することが可能であったかどうかをレトロスペクティブに検討する。本年度対象としたスリガラス影を主体とするnon-solid型の肺癌だけでなく、悪性度の高いとされる充実型肺癌についても対象に加える。ワークステーションとタブレット型コンピュータ(iPad)を無線LANで結び、術者が手術室においてワークステーション上の3D-CT画像をiPadのタッチパネル画面で自由に動かして観察できるシステムを構築する。
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