2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子EDM探索に向けて:光トラップ中での冷却分子生成
Publicly Offered Research
Project Area | Extreme quantum world opened up by atoms -towards establishing comprehensive picture of the universe based on particle physics- |
Project/Area Number |
24104701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥井 寿夫 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40306535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レーザー冷却 / EDM / 2種原子混合系 |
Research Abstract |
初年度はLi原子の冷却とトラップ研究に重点を置いていた。昨年度は、Sr原子実験の改善を行った。光トラップと分子生成のためには、Sr原子のさらなる冷却と原子数密度の増大が望ましい。そこで、(1)Sr原子の689nm光レーザー冷却用光源開発とレーザー冷却、(2)Sr原子数増大のために重要なリポンプ光源の周波数安定化の研究を行った。 (1)Sr原子の689nm光レーザー冷却用光源として、リットマン型ECDLを開発し、ULE共振器を用いて線幅狭窄化を行い、実際に689nm光を用いたSr原子のレーザー冷却に成功した。 (2)Sr原子のリポンプ光として、波長497nmの5s5p 3P2 - 5s5d 3D2遷移を用いるが、この3P2状態は基底状態ではなく準安定状態のため、通常の周波数安定化用セルとして準備するのは難しい。そこで、ホロー・カソードランプを用いることで、Sr原子の準安定状態の分光を行った。準安定状態は、放電セル中の電子とSr原子が衝突することで生成される。実際に、このホロー・カソード放電中のSr原子の分光実験を行うことで、電子の空間分布が多いセルの中心部付近で、3P2状態の原子の励起率(準安定状態と基底状態の比)が大きいことを実験的に突き止めた。 また、準安定状態3P2は、速度変化衝突(velocity changing collision, VCC)の影響が大きく、飽和吸収分光法におけるラム・ディップが観測できなかったが、バッファガスの圧力や原子種を変えることで、励起率やVCCが変化することがわかり、Ne の圧力が高いときよりも、Ne + Xe で圧力が低いときに、3P2状態の励起率が高くVCCが小さくラムディップを大きくできることがわかった。 以上から、Sr原子の原子数を増大し冷却する技術を確立できた。今後は、光トラップへ移行し、分子生成実験を行うことができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)