2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規芳香族ケトン触媒の開発による不斉ラジカル反応の開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
24105531
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60566298)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 光ラジカル環化反応 / 芳香族ケトン触媒 / 1,5-水素移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
低環境負荷型有機合成反応と言うキーワードのもと、有機分子触媒反応は触媒自体の環境および人体への低毒性から注目を集め、ここ10年の間に爆発的な勢いで発展し、触媒化学研究における一大潮流となった。しかしながら、これまでに開発されてきた有機分子触媒反応のほとんどは、求核剤および求電子剤の活性化による反応であり、有機化学反応として非常に重要なラジカル反応に関する報告例は少ない。こうした現状において、今回我々は、芳香族ケトンが新規光ラジカル環化反応の有効な触媒として働く事を見出した。 本反応における詳細な反応機構に関する検討の結果、1,5-水素ラジカル移動反応を鍵過程としたラジカル環化反応である事が分かった。1,5-水素ラジカル移動反応はsp3 C-H結合の官能基化反応として非常に強力な手法であるが、これまでに有機分子による触媒的1,5-水素ラジカル移動反応に関する報告例はない。今回見出した反応は、1,5-水素ラジカル移動反応を有機分子触媒により達成した初めての例である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の目標であった、芳香族ケトンを触媒として用いた新規光ラジカル反応の開発に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度に見出した芳香族ケトン触媒による1,5-水素ラジカル移動を経由した新規光ラジカル環化反応の不斉反応化を目指す。具体的には、新規光学活性芳香族ケトン触媒の創出を目指す。
|
Research Products
(2 results)