2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子触媒の活性中心におけるルイス酸性・ルイス塩基性の理論的検討
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
24105534
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
坂田 健 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (90328922)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 量子化学計算 |
Research Abstract |
本年度は、当初研究計画に関連する課題として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランB(C6F5)3を触媒として用いたヒドロシランとカルボニル化合物のヒドロシリル化反応に注目して検討をおこない、一定の成果を挙げた。 Piersらは、触媒量のB(C6F5)3と1当量のトリフェニルシランを用いた芳香族カルボニル化合物のヒドロシリル化反応を報告し、ルイス酸触媒であるB(C6F5)3がシランの水素原子を活性化して進行する反応機構を提案した。この反応は、その後大きく発展したコンセプトであるfrustrated Lewis pairsの原型と捉えることができるにも関わらず、理論計算からの考察は、現在に至るまでおこなわれてこなかった。そこで、ルイス酸触媒B(C6F5)3によるカルボニル化合物のヒドロシリル化反応に関して、トリメチルシランとアセトンからなるモデル反応系を用いたDFT計算によって検討をおこなった。その結果、ルイス酸B(C6F5)3はカルボニル基に配位するものの、カルボニルを活性化したまま反応が進行するよりも、シランの水素原子を活性化して進行した方が有利であることが、理論計算の立場からも支持された。 一方、同様の反応においてBF3を用いた場合には、カルボニルを活性化して反応が進行する経路の方が、有利であることがわかった。この2つの反応系の違いは、(1) BーC結合とBーF結合との安定性の違い、(2) B原子のp軌道の電子受容能の違い、および (3) B(C6F5)3がシラン分子とコンプレックスを形成する際にC6F5基のオルト位F原子とSi原子との間に生じる弱い相互作用に起因することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)