2012 Fiscal Year Annual Research Report
B中間子崩壊から生成される軽クォーク中間子の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
24105708
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 達郎 宮崎大学, 工学部, 教授 (20253817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中間子分光学 / 高エネルギー物理学 / ハドロン物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな目的は、QCDの動力学によってクォークとグルーオンから中間子や重粒子などのハドロンがいかに形成されるかという問題を解明することである。この目的に向けた研究の一環として、本研究はKEK・BELLE実験による高統計高精度の実験データを用いて中間子スペクトルを見直す。特にa1中間子およびK1中間子はρ中間子などのベクトル中間子に次いで基本的な中間子にもかかわらず、質量、共鳴幅とも十分な精度で定まっておらず、理論的にも実験的にも注目されている。そこでB→D*a1、a1→3π反応およびB→J/ΨK1、K1→ωπ反応の解析を通じて、a1中間子およびK1中間子の質量、共鳴幅や分岐比などのパラメーターの決定を行い、中間子スペクトルの実験的データの確立への貢献を目指す。本年度は前年度までの科研費研究の成果を継承し、反応抽出プログラムおよび部分波解析プログラムの構築、モンテカルロシミュレーション計算プログラムの構築および実行を目指した。前年度までの研究によってB→J/ΨK1、K1→ωπ反応の抽出プログラムはほぼ構築されており、本年度においてB→D*a1、a1→3π反応の抽出プログラムもほぼ作成された。しかしなおモンテカルロデータに基づくプログラムの確認を要する。一方でこれまでの実験において軸性ベクトル中間子の質量や共鳴幅が不確定となる理由について関連して検討を行い、ハドロンビームを用いた実験において軸性ベクトル中間子の諸性質が不確定となる理由についての重要な示唆を見出し、これについてCERN・COMPASS実験グループ関係者等とともに現象論的検討を行った。またデータ解析をより効率的に行うための環境整備として、新たに計算機サーバーを追加・稼働させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はKEK・Belle実験データの反応抽出プログラムおよび部分波解析プログラムの構築、モンテカルロシミュレーションプログラムの構築および計算の実行を目指した。しかしB→D*a1、a1→3π反応については実データを用いた反応抽出プログラムはほぼ作成できたものの、モンテカルロシミュレーションデータを用いた検証、検討までに至らなかった。これはBelle実験解析プログラムの理解に当初予想よりもさらに時間を要することと、また同様の理由とも言えるが、解析過程に対する必要作業量の過小評価によるものである。本年度の理解を踏まえて次年度での挽回をはかりたい。一方でハドロンビームを用いた実験において軸性ベクトル中間子の諸性質が不確定となる原因に関する重要な示唆も得られたが、全体として当初目的に比較してやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としてさらに解析参加者の増強を図る。実際、解析を行う新たな大学院生2名の参加を得ている。一方で大学院生の教育と早期の能力増強が求められるが、教育時間および機会を増やして対応する。宮崎大学における計算機環境の整備も進んでいるので作業時間とともに作業能率の向上も可能であると考えられる。またハドロンビームを用いた実験において軸性ベクトル中間子の諸性質が不確定となる原因についても過去のKEKデータを利用して検討を行う。
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Research Products
(3 results)