2012 Fiscal Year Annual Research Report
変換速度100MHzを持つ低消費電力ADCの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
24105709
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
田中 真伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00222117)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 素粒子原子核実験 / 測定装置高機能化 / アナログデジタル変換 / 放射線検出装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
先端加速器を使用した高エネルギー実験では、検出器そのものの先端性のみでなく読み出しエレクトロニクスの先端性も必須である。それらは主に高集積化、低雑音、高速動作、低消費電力に現れるが、高集積化を目指す場合に重要となってくるのがアナログデジタル変換部の組み込みである。この研究ではCMOS 0.18umプロセスを用いた消費電力60mW以下の低消費電力パイプラインADC(100MHz12bit)の開発を行う(市販品では存在しない)。本開発は具体的に仕様を決めるため、ガス検出器の波形記録装置及び光検出装置の一部に組み込むことを前提としている。 高輝度化、高エネルギー化を目指す先端加速器科学において、測定器の高速化、多チャンネル化は避けて通れないものである。この研究を通し“集積回路の高機能化に際し鍵となる基本要素のADCブロック”を完成させ、OpenIt(計測システム開発のための専門家の共同開発共同研究体)を通して以降デザインされる集積回路へ実装することで、測定装置の先端化を加速する。OpenItは、情報をWEBを通じて社会に発信しており、企業等の開発ニーズに結びつけることも可能である。 今年度、初めて組み込み用動作周波数100MHzのアナログデジタル変換チップを製作し、100MHzでアナログデジタル変換動作を確認した。今後消費電力と精度を最適化し、測定装置への組み込みを前提としたデモンストレーションを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度一回目の放射線検出器への組み込み用アナログデジタル集積回路を製作し、目標とする動作速度(100MHz)でのアナログデジタル変換動作を確認した。 評価が順調に進んだことにより、不具合等の解析に充分時間が取れた。よって最終目標に向けて変換精度を上げるための回路の変更及び集積回路のレイアウト修正点が明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
試作チップが100MHzで動作したため、動作周波数に関しては問題をクリアできた。今後はアナログデジタルの変換精度を向上させることを目標に回路レイアウトの修正を行う。すでに差動回路の一部やエラー補正回路の改良点が明確になってきたため、それらを修正し次回作を作る。
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