2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管構造の高速モールディングによる三次元骨組織の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
24106504
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
福田 淳二 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (80431675)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 電気化学 / 血管 / 細胞脱離 / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電気化学を利用した血管様構造の作製技術を用いて、三次元的な骨様組織の作製に取り組んでいる。平成24年度は、基盤技術である電気化学的な細胞脱離技術に使用するオリゴペプチドの設計に取り組んだ。特に、素早い細胞脱離の実現には、金表面で密に自己組織化するオリゴペプチドの設計が必要である。なぜなら、オリゴペプチドの表面密度が低く、培地中のタンパクなどが金表面へ非特異吸着すると、これを介して接着した細胞は電気化学的に脱離させることはできないためである。そこで、配列の中央にリジン(K)、グルタミン酸(E)のようなプラス、マイナスにチャージしたアミノ酸を交互に配置したオリゴペプチドを作製・評価した。つぎに、このオリゴペプチドを金表面に修飾して細胞を接着させ、細胞脱離試験を行った。従来のアルカンチオール分子が細胞脱離に5分を要したのに対して、約2分ですべての細胞が脱離できることを示した。 さらに、直径500 umの金ニードルを500 umの間隔で3×3配置した多細管ニードルにこの細胞脱離を応用することで、ハイドロゲル内に血管内皮細胞で内表面が覆われた血管様構造を高速モールディングできることを示した。ただし、送液培養を行っても血管内皮細胞は内表面に留まり、ゲル内に管腔構造を伸長しなかった。これは光架橋性ゼラチンゲルの架橋密度が高いためと考えられた。そこで、血管内皮細胞とともに線維芽細胞をニードル上で共培養し同様に転写した結果、線維芽細胞のサポートにより血管内皮細胞はゲル内に管腔構造を伸長することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、電気化学的な細胞脱離を高速に行えるオリゴペプチドの設計を完了した。また、ハイドロゲル内への血管様構造の高速モールディング技術の確立についても予定通り達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように申請書記載の計画に沿って研究は進行しており、平成25年度はゲル内に骨細胞または間葉系幹細胞を導入することで微小血管を備えた骨様組織の構築に取り組む。
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Research Products
(22 results)