2012 Fiscal Year Annual Research Report
Organ-Explant-Chipにおけるバイオニックシミュレータ
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
24106506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
益田 泰輔 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30431513)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / バイオニックシミュレータ / 細胞間相互作用 / 力学刺激応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療や創薬研究において,作業の効率化や動物実験等の実施が難しくなっている等の理由から,生体機能の一部を模倣することが可能なバイオニックシミュレータが必要とされている.本研究は,生体から摘出した器官をマイクロ流体チップに外植し,生体機能の一部を機械システムと融合させて継続的な機能維持を図る“Organ-Explant-Chip”を新たに提案する.24年度は,代替実験動物の候補動物として推奨されており,比較的に人間の循環器系に近い構造を有するニワトリ胚に着目し,ニワトリ胚の心臓を用いたOrgan-Explant-Chipによるバイオニックシミュレータの構築を行った.ニワトリ胚から摘出した心臓の機能を生体外環境で長期維持させるためには,栄養及び酸素の供給が重要である.ここでは,大動脈/静脈血管と人工のマイクロ流路を接続するために血管吸引誘導固定法(Suction-Induced Vascular Fixation Method : SVF法)を新たに提案し,外植した心臓に繋がる複数の血管を一括で位置決め,ならびにマイクロ流路への接続を行った.血管吸引誘導固定デバイスは,ミリオーダーの厚みを必要とする血管を吸引誘導する縦穴の部分とマクロオーダーの加工精度を要する吸引固定するチャネルの部分の加工を同時に達成するため,鋳造技術とフォトリソグラフィを組み合わせたレイヤーファブリケーション法によって作製した.作製したデバイスを用いて外植したニワトリ胚の心臓とマイクロチューブ(外径0.5 mm)とを接続した様子について示す.接続部には生体用接着剤(ダーマボンド)を用いている.吸引機構を有するデバイスを用いた接続によって,各血管の位置決めが容易に行え,作業時間が短縮を図れただけでなく,血管同士の癒着を防ぐことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にあったニワトリ胚の心臓を用いたOrgan-Explant-Chipモデルの確立したこと.さらには血管の一括吻合法を提案のように,申請書段階にはなかった新たな展開が見出されたことから.
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Strategy for Future Research Activity |
摘出した心臓組織に力学刺激を負荷するシステムを作成し,力学刺激に対して,どのようなサイトカインが細胞間のコミュニケーションを制御しているかの検討を行う.また,力学刺激負荷システムに電気刺激負荷システムを追加することにより,心筋細胞系組織構造体の自律拍動をコントロールし,心筋細胞由来の人工拍動ポンプの構築を目指す.
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Research Products
(9 results)