2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサン型貫通構造を鍵とする「マクロサイクル触媒」反応系の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
24106710
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40179445)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超分子化学 |
Research Abstract |
本研究課題では、ロタキサンというインターロック分子を主題とした時間的・空間的反応集積場を利用した反応系について、以下の2つのテーマについて研究を行った。 1) ロタキサンキラリティーのスルースペース協同効果による不斉酸化反応 光学活性なクラウンエーテルを輪成分にもつロタキサンを不斉場とし、空間を介したスルースペース協同効果によって不斉選択性が得られることを期待し、3級アミン部位を軸分子中に有し、光学活性な(R)-ビナフチル基をもつクラウンエーテルを輪成分に用いたロタキサンを合成した。そしてこの軸分子上の3級アミンの酸化反応において、スルースペースでのキラリティートランスファーによる高エナンチオ選択的なN-オキシド体の不斉合成を行った。その際、軸分子の長さやN上の置換基の効果について精査したところ、短い軸分子を用い、N上にはベンジル基を有するロタキサンを用いたところ、-80℃の条件において95%deの不斉選択性が得られた。 2) ロタキサンにおける動的立体保護の確立 ロタキサンの輪成分の運動による動的立体保護を実証するため、運動性の異なる輪成分が軸成分に対してどの程度立体保護効果を示すのかを比較検討した。輪成分の運動性が異なる2種類のロタキサンの軸末端の反応性官能基に対してSN2反応を行い、その反応速度から動的立体保護効果の実証を行った。その結果、輪成分が固定されているロタキサンや輪成分の存在しない軸分子と比較して、輪成分が可動なロタキサンでは軸末端でのSN2反応がおよそ10倍遅く、ロタキサンの可動な輪成分による動的立体保護効果を実証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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