2013 Fiscal Year Annual Research Report
テトラチアフルバレンの集積型周辺修飾による拡張π共役系分子の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
24106721
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依光 英樹 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372566)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | TTF / ポルフィリン / アミノ化 / 縮環 |
Research Abstract |
機能性π共役系母核周辺部に芳香環をはじめとする別のπ共役系ユニットを密集配置すれば、優れた機能・特性を有する斬新なπ共役系分子の創出に繋がる。本申請の研究ではテトラチアフルバレン(TTF)類の集積合成、具体的には同一時空間反応集積化に基づく複数の炭素―炭素結合の直接的一挙生成について検討した。今年度は特にジフェニルアミノ基がポルフィリンに三本の単結合で縮環した拡張ポルフィリンの高効率合成について集中的に研究を行った。 まず9-ブロモアントラセンやmeso-ブロモポルフィリンのようなかさ高いブロモアレーンをジアリールアミンでアミノ化する際の超高効率パラジウム触媒反応を開発した。具体的には、Organらが開発したPd-PEPPSI触媒を用いる反応系を改良し、目的に特化した反応条件を確立した。 効率よく合成できるようになったmeso-ジフェニルアミノポルフィリンを塩化鉄/DDQを用いて酸化すると、対応する縮環体が得られた。酸化反応を短時間で終了させると二つのフェニル基のうち一つだけが縮環した一重縮環体が、長時間行うと二つとも縮環した二重縮環体が生成した。X線結晶構造解析や各種分光学的測定を行ったところ、一重縮環体の方が二重縮環体よりもπ系が有効に共役していることが明らかとなった。 「周辺部窒素埋め込み型ポルフィリン」はその平面構造ゆえにポルフィリンよりも共役系が拡張しているだけでなく、窒素原子のおかげで電子的な柔軟性も獲得している。アザグラフェンの合成と物性探索において重要な知見となろう。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)