2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズの分子リングの反応集積化による合成
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
24106737
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊與田 正彦 首都大学東京, 大学教育センター, 特任教授 (50115995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 選択的合成・反応 / 構造有機化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者がこれまでに展開してきた研究を基礎とし、申請者の開発した反応の中で特に同一時空間反応集積化および時間的反応集積化を用いた合成反応に着目してその反応を改良し、ナノサイズの分子リングを高効率的に合成することを目的としている。このような研究の目的を実現するために、平成24年度には Lipshutz cuprate の電子移動酸化および環状反応を用いて比較的小さな鎖状オリゴアレーンおよび鎖状オリゴヘテロアレーンを同一時空間反応集積化または時間的反応集積化を用いて合成した。また、ベンザイン前駆体を中間体に経るテルフェニルの合成は、込み合った分子骨格を合成できるので、本研究で多重置換体の合成に応用した。さらに、鎖状オリゴヘテロアレーンとしては、ジチエノフランおよびジチエノピロールの効率的合成を検討した。また、平成24年度には、Lipshutz cuprate の電子移動酸化を用いる巨大環状ポリアレーンおよび巨大環状ヘテロポリアレーンの合成も計画していたので、温和な反応と考えられる Lipshutz cuprate の電子移動酸化条件で、新たに導入した官能基が反応を妨げるか否かを先ず調べ、目的とした巨大環状ポリアレーンおよび巨大環状ヘテロポリアレーンの合成に取り組んだ。その結果、幾つかの巨大環状分子が合成できたので、その構造・性質および機能の関係を調べた。特に、本研究では自己組織化によってナノ構造を形成する巨大環状分子を構築することが目的であるから、その特異な構造の解析と、機能材料としての有用性についても調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする巨大環状ポリアレーンおよび巨大環状ポリヘテロアレーンの反応集積化による合成が達成でき、幾つかの巨大分子を合成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究によって、幾つかの巨大分子を合成できたので、この研究をさらに進めることによって、新規機能性π電子材料の構築が可能になるものと期待できる。
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Research Products
(10 results)