2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内動態を応用した新規DDSナノキャリアーの検討
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
24107520
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
板野 理 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265827)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノキャリアー |
Outline of Annual Research Achievements |
光線力学療法(Photodynamic therapy, 以下PDT)は光感受性物質とレーザー光線による光化学反応を利用した全身的または局所的治療法である。酸素存在下において、活性化した光感受性物質は細胞障害または細胞死を引き起こす。ベルテポルフィンは疎水性のポリポルフィリンオリゴマーである。本研究では、PMBN及びPMBをナノキャリアーとして用いDDSとPDTの組み合わせにより、ベルテポルフィン封入ナノ粒子の腫瘍特異性と抗腫瘍効果の検討を行うことを目的とする。 Zetasizer Nanoを用い測定した粒径では、それぞれPMBNは59.8±1.5nm、PMBN-抗体は101.5±5.5nm、ベルテポルフィン-PMBNは125.0±4.1nm、ベルテポルフィン-PMBN-抗体は129.7±3.9nm、ベルテポルフィン-PMBは197.4±9.1 nmあった。In vitroにおけるベルテポルフィン-PMBN-抗体の取り込みは、抗EGFR抗体を用い、EGFR過剰発現株であるA431を対象とした。ベルテポルフィンは細胞質内に取り込まれていた。30分後には抗体ありの群がなしの群の取り込み量の3倍となっていた。これはPMBN-抗体によって細胞内への取り込みが増えることを示している。In vivoでのベルテポルフィンの取り込みは、A431担癌マウスにベルテポルフィンを6mg/kgの量にて投与した。腫瘍内のベルテポルフィンの濃度は、抗体ありの群がなしの群よりも1.74倍取り込まれていた。EGFR未発現株であるH69 でも同様に実験したが、腫瘍のベルテポルフィン濃度は微量であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
PMBN及びPMBを用いたin vitro, in vivoでのベルテポルフィン取り込み測定が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
作用機序の異なる薬剤(NFκ‐B阻害剤)用いて、最適なデリバリー法の検討を行う。
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