2013 Fiscal Year Annual Research Report
四国海盆の泥質堆積物の起源とフラックスから見る島弧テクトニクス
Publicly Offered Research
Project Area | New perspective of great subduction-zone earthquakes from the super deep drilling |
Project/Area Number |
24107704
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成瀬 元 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362438)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地質学 / 海洋探査 / フィリピン海プレート / 付加体 / 南海トラフ |
Research Abstract |
ここまでの研究により,四国海盆の半遠洋性堆積物は二回の大きな堆積速度変化イベントを経験していることがわかった.一つは3Ma,もう一つは11Maであり,前者では堆積速度が倍増しているのに対し,後者では堆積速度が半減している.しかしながら,その原因については全く不明であった.これは,いわゆる「半遠洋性堆積物」を運搬しているプロセスが何であるかが未知であるということが,大きな研究上の障害となっていたためである. そこで,今年度は海盆へ堆積物を運搬するプロセスに焦点を当て,研究を行った.四国海盆の半遠洋性堆積物は,詳細に観察すると泥質のタービダイトを多数含んでおり,タービダイトと認定されない層準も実際には生物撹拌により特徴が失われたシルト岩である可能性が高い.すなわち,混濁流の発生頻度が半遠洋性堆積物の堆積速度変化に大きく影響している可能性は高いことがコア観察の結果などから明らかになった. そのため,深海盆へ堆積物を運搬する混濁流の発生頻度を支配する要因が次の課題となる.本研究では,四国海盆で起こっているプロセスのアナログ現象として,2011年東北地方太平洋沖地震直後に発生した混濁流に着目し,詳細な解析を行った.その結果,この混濁流は津波によって発生したことを解明した.この混濁流は浅海域で発生し,日本海溝に至るまで200 km以上にわたってシルト質の細粒堆積物を分散させていたのである.このような細粒堆積物を多く含む混濁流は,南海トラフ巨大地震に伴う津波によって頻繁に四国海盆へも流下したはずである.すなわち,巨大地震発生頻度とシルト質タービダイトの堆積頻度には強い相関があることが予想されるだろう.これは,今後の巨大地震発生帯研究への重要な指針を与える成果と言える.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Tsunami-generated turbidity current of the 2011 Tohoku-Oki earthquake2013
Author(s)
Kazuno Arai, Hajime Naruse, Ryo Miura, Kiichiro Kawamura, Ryota Hino, Yoshihiro Ito,Daisuke Inazu, Miwa Yokokawa, Norihiro Izumi, Masafumi Murayama, Takafumi Kasaya
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Journal Title
Geology
Volume: 41
Pages: 1195-1198
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Depositional architecture, provenance, and tectonic/eustatic modulation of Miocene submarine fans in the Shikoku Basin: Results from Nankai Trough Seismogenic Zone Experiment2013
Author(s)
Pickering, K.T., Underwood, M.B., Saito, S., Naruse, H., Kutterolf, S., Scudder, R., Park, J.-O., Moore, G.F., Slagle, A.I
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Journal Title
Geochemistry, Geophysics, Geosystems
Volume: 14
Pages: 1722-1739
DOI
Peer Reviewed
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