2012 Fiscal Year Annual Research Report
超低速ミュオン線形加速器の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier of Materials, Life and Elementary Particle Science Explored by Ultra Slow Muon Microscope |
Project/Area Number |
24108504
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林崎 規託 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (50334537)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超低速ミュオン加速 / 超低速ミュオン顕微鏡 / 線形加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「A01班:超低速ミュオン顕微鏡と極微μSR法創成」において計画されているビーム尖鋭化に必要な基盤技術として,ミュオニウムをレーザー解離することで得られた超低速ミュオンを1MeV以上に再加速するための,高周波四重極型線形加速器(RFQ)とインターディジタル-H型線形加速器(IH-DTL)から構成される,超低速ミュオン加速器の開発をおこなっている。 平成24年度は,J-PARC主加速器のために製作された,既存の運転周波数が324MHzの負水素イオン加速用RFQの予備機に30keVミュオンを入射・加速した場合のビーム特性を,荷電粒子運動解析コードにより解析し,超低速ミュオン加速への利用可能であることを明らかにした。また,これまでg-2/EDM実験用として検討してきたミュオン加速用IH-DTLに関するビーム軌道計算を,最新鋭の計算用ワークステーションを導入して本研究用に発展させ,前述したRFQの解析結果をビーム初期条件として取り入れるとともに,高周波電場の加速位相の符号を交互に変化させて収束する(Alternating Phase Focus: APF)法を導入し,ビーム収束が効果的に機能するような最適な加速位相セットを探求した。そして,一枚板から全てのドリフトチューブ電極を立体的に削り出したセンタープレートに,半円形のサイドシェルを両側から取り付ける構造をもつ,運転周波数324MHzの超低速ミュオン加速用IH-DTL原理実証機のデザインを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり進展している。本研究の成果は,平成24年8月30日~9月1日北海道大学で開催された「第2回領域会議公開シンポジウム」,同年9月19日~21日に広島大学で開催された「日本原子力学会2012年秋の大会」,同年11月27日~28日に東京大学で開催された「第6回物性科学領域横断研究会」および平成25年3月26日~29日に広島大学で開催された「日本物理学会第68回年次大会」において,各々口頭発表をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度にデザインした,運転周波数324MHzの超低速ミュオン加速用IH-DTL原理実証機を具体化し,電気的特性試験および真空特性試験を実施する。これまでg-2/EDM実験用として検討してきたIH-DTLの試作モデルにAPF法を適用した改造をおこない,装置全体を組み立て,ネットワークアナライザーなどの計測器により,加速空洞の電気的特性を評価する。そして,性能的に問題のないことが確認されたら,ビーム加速特性やビーム収束特性を評価し,今後製作が予定されている超低速ミュオン顕微鏡やg-2/EDM実験のための実用機デザインにフィードバックする。また,新しい超低速ミュオン線形加速器として,誘導加速型の検討もおこなう。
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