2013 Fiscal Year Annual Research Report
超低速ミュオンをプローブとするカイラル磁性結晶のダイナミクス探索
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier of Materials, Life and Elementary Particle Science Explored by Ultra Slow Muon Microscope |
Project/Area Number |
24108506
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | カイラル磁性体 / スピン位相 / 非線形性 / 非対称性 / 非平衡 / ミュオン |
Research Abstract |
超低速ミュオンが得意とする時空スケールが絡む現象の宝庫として「カイラル磁性結晶における磁気構造とダイナミクス」をテーマとする理論研究を展開する。申請者(岸根)らはこれまでに、構造カイラリティを持つ磁性結晶である「カイラル磁性結晶」を舞台とする新磁性分野を開拓してきた。水晶のようにカイラリティを持つ結晶が磁性を持つ場合、スピン・軌道相互作用に由来する弱い「ジャロシンスキー・守谷(DM)相互作用」によってスピン磁気モーメントの向きが特定の巻き方(カイラリティ)を保持して周期的に捻じれた「カイラルらせん磁気構造」が極めて安定に現れる。この状態は、スピン磁気モーメントというベクトル的自由度の「位相変調」が結晶の構造カイラリティ(カイラル対称性の破れ)によってマクロスケールで保持された非整合磁気秩序であり、その空間周期は数百オングストロームに達する。さらに、カイラルらせん磁気構造に0.1テスラ程度の弱磁場を印加すると磁気構造の空間周期を無限大 (試料サイズ) まで周期的に変調することができる。これがカイラル磁性体に特有の「カイラルソリトン格子(CSL)」と呼ばれるスピンの非線形位相構造(スピンテクスチャ)である。本研究では、次世代大容量省電力情報ストレージ技術との繋がりを見据え、「超低速ミュオンをプローブとするカイラル磁性結晶のダイナミクス探索」を通してミュオンが物質機能を探究する上で極めて重要なプローブであることを例示した。特に,有限サイズのカイラル磁性体におけるトポロジカルな磁化跳躍現象の発見が顕著な成果である.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
[Journal Article] The effect of doping a molecular spin ladder with non-magnetic impurities2013
Author(s)
Sadafumi Nishihara, Xiao Zhang, Kazuhisa Kunishio, Katsuya Inoue,Xiao-Ming Ren, Tomoyuki Akutagawa, Jun-ichiro Kishine, Masashi Fujisawa, Atsushi Asakura, Susumu Okubo, Hitoshi Ohta and Takayoshi Nakamura
-
Journal Title
Dalton transactions
Volume: 42
Pages: 15263-15266
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-