2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物クラスター配列制御による機能性イオン結晶の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
24108709
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 さやか 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10361510)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 複合材料・物性 / 自己組織化 / 触媒・化学プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
資源の少ない我が国において、エネルギーや物質の有効利用を可能にする環境調和型かつ高機能な材料の開発は、重要な課題の一つである。本研究では、金属の核数と距離が精密に規定された金属酸化物クラスターの配列制御による機能性固体(吸着分離、吸蔵、触媒、イオン伝導、磁性・電子材料)の構築を、サブナノ~ミクロンレベルで行うことを目的とした。当該領域「配位プログラミング」が目指す「機能階層的な超構造体を設計通り精密に組み上げる」、「分子機能を組織化して高効率出力するナノサイズ化学素子の開発」という目的と合致する。平成24年度は、無機ユニット(金属酸化物クラスターであるポリオキソメタレートアニオン)と有機ユニット(カチオン性金属錯体や有機アンモニウム)の協奏による機能発現に重点をおいて研究を進めた。今年度の成果として、(1)二酸化炭素とメタンの分離が可能な多孔性有機―無機複合化結晶、(2)結晶格子内にサイト欠陥を有し、欠陥部を利用した選択的な分子やイオンの吸着交換が可能な無機結晶、(3)構造柔軟な結晶格子を有し、結晶格子内で形状選択的に過酸化水素を酸化剤としたオレフィン類の酸化反応が進行する有機―無機複合化結晶、の創製に成功した。これらの成果は、無機ユニットが吸着・反応活性点として機能し、有機ユニットが吸着・反応に適切なナノ空間の構築に関わっており、目標として掲げた「無機-有機ユニットの協奏」に成功したといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、金属の核数と距離が精密に規定された金属酸化物クラスターの配列制御による機能性固体(吸着分離、吸蔵、触媒、イオン伝導、磁性・電子材料)の構築を、サブナノ~ミクロンレベルで行うことを目的としており、構造ブロックを精密に配列することで、高選択的な吸着分離機能(二酸化炭素/アセチレン、二酸化炭素/メタン、水/エタノール)や形状選択的な触媒機能(ピナコール転位、オレフィン酸化)を有するイオン結晶の構築に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該領域「配位プログラミング」が目指す「機能階層的な超構造体を設計通り精密に組み上げる」、「分子機能を組織化して高効率出力するナノサイズ化学素子の開発」という目的達成の一手段として、有機物(材料としてみた場合に耐熱性や耐酸化性が低下するため)の助けをなるべく借りない金属酸化物クラスターの配列制御による無機イオン結晶の創製、また、イオン結晶は一般に構造予測が困難であるため、種々のポストシンセシス法による構造の精密制御を行う予定である。
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Research Products
(12 results)