2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子伝達タンパク質間の会合体形成を利用する遺伝子転写制御因子の出力変換
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
24108715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 洋 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283151)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオデバイス / バイオエレクトロニクス / センサータンパク質 / シグナル変換 / 転写制御因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、一酸化炭素(CO)感知転写制御因子(CooA)の高感度、高選択的CO検出能に着目し、転写調節因子の出力であるCO依存的なDNAへの結合能の変化を直接電気化学的な信号に変換する仕組みの構築を目指した。助成期間の研究を通じて、以下の成果を得た。 1) 電子伝達タンパク質アズリンと、CooAターゲットDNAとの複合体合成法を確立し、DNA部位へのCooAのCO依存的で可逆な結合/解離反応を実現した。その結果、「CooAによるCOの感知→ CooAのターゲットDNAへの結合 → チトクロム→アズリン間の電子伝達速度の変化」による情報の変換カスケードが実現でき、最後の電子伝達速度の変化は、アズリン部位を電極に固定することで、電極電流の変化として計測可能となる段階に到達した。 2) アズリンタンパク質に対する逐次2重化学修飾反応法を開発し、タンパク質の基盤表面への固定と酸化還元反応の活性中心である銅イオン近傍への機能性分子の導入が自在に行えるようになった。この技術とアズリンが元々有する分子内電子移動反応経路を組み合わせることで、機能化した酸化還元中心(銅イオン)を溶液側に向けつつ、酸化還元挙動を電極反応として計測、定量化することが可能となった。 現在、これらの成果をもとに、仕組み全体の電極化を進め、COのセンシング情報をアズリン修飾電極における電極電流の変化へと情報変換する機構の実現を目指した研究を続行中である。ポイントは、DNA修飾アズリン間の距離を電極上で上手くとり、CooAの結合スペースを確保することにある。CooAのCOに対する感受性は、CooA鉄ポルフィリン錯体に対するCOの配位力に依存する。COの配位力はCooAへの変異導入で変化させ得ることができるため、CO検出レンジの異なるCooAを生み出すことも今後の課題である。 以上、本助成研究で得られた成果を基に、今後これまでとは全く異なる仕組みで動作するバイオセンサーの実現を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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