2012 Fiscal Year Annual Research Report
配位高分子を用いたイオン交換材料の創成
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
24108718
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 鉄兵 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10404071)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 配位高分子 / イオン交換 / イオン吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
私はこの申請課題において、配位高分子の新たな合成法である保護-脱保護法を発展させ、種々の官能基を有する配位高分子とその内空間の構築を目指した。また得られた官能基導入内空間を用いた新規プロトン伝導体の構築を行う。具体的には3年間で下記の2つの研究課題の遂行を目指した。 1、保護-脱保護法の適用範囲を広げ、種々の官能基の導入(スルホン酸、カルボン酸、sp3アミン)を行う。 2、それらの酸性残基にイオン交換法によりアルカリイオンをドープする。 本年度、我々は多様な酸点を有する配位高分子の構築に成功した。高イオン伝導性を有する配位高分子を種々合成し、そのイオン伝導性について評価を行い、高いプロトン伝導性を発現する配位高分子を種々見出した。それにより一流紙への論文投稿がなった(J. Am. Chem. Soc.誌6報、Chem. A. J.誌1報など)。 さらにこれらの研究成果により各学会などから賞を頂いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度、我々は多様な酸点を有する配位高分子の構築に成功した。高イオン伝導性を有する配位高分子を種々合成し、そのイオン伝導性について評価を行い、高いプロトン伝導性を発現する配位高分子を種々見出した。それにより一流誌への論文投稿がなった(J. Am. Chem. Soc.誌6報、Chem. A. J.誌1報など)。 また酸化還元活性のある配位高分子を種々合成し、同定に成功した。種々のイオン種を含む電解質中で酸化還元活性を測定したところ、イオン種によりレドックス電位に差が現れ、イオン種を選択的に取り込むことが出来る可能性が示唆された。 さらにこれらの研究成果により、各学会などから賞を頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はさらに多様な配位高分子のライブラリを構築する。またカチオン性の骨格の構築を目指し、ポリピリジン系の配位子を用いた配位高分子の合成・同定を目指す。得られた配位高分子の同定としてX線構造解析、吸着特性、熱分析などを同様に行う。得られた配位高分子を用い、2種類以上のカチオン(もしくはアニオン)を含む溶液に曝すことにより、イオン選択性を直接評価する。取り込まれたイオンは、SEM-EDXや原子吸光といった手法で評価が可能であると期待される。さらに細孔内にとりこまれたイオンの拡散挙動について評価を行う。交流インピーダンス法により、イオン伝導度を見積もることが出来、この値から荷電粒子の自己拡散係数を見積もることが可能である。イオン伝導度の評価により、イオン取り込みに対する熱力学的な安定性の違いではなく、速度論的なイオンの取り込み易さを評価することが可能になる。配位高分子の酸化還元挙動を評価し、カウンターイオンに応じた酸化還元挙動の変化を調べ、電気により選択的にイオンを取り込むことの出来る配位高分子を見出すと共にその選択性を評価する。配位高分子を電極に塗布し、サイクリックボルタンメトリーにより、酸化還元挙動を評価する。より精密な測定には、Layer-by-Layer法を用いた数層の配位高分子膜を作成する。いくつかの物質についてはLayer-by-Layer法による配位高分子膜の作成例がある(T. Bein et al., Microporous Mesoporous Mater. 2008, 114, 380)。配位高分子の厚みを分子数層まで減らすことにより、電極界面付近での酸化還元挙動について正確に評価することが可能になる。
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Research Products
(10 results)