2012 Fiscal Year Annual Research Report
超分子プログラミングによる液晶性p/nナノ接合の作製と太陽電池への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
24108729
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
舟橋 正浩 香川大学, 工学部, 教授 (90262287)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 液晶性半導体 / オリゴシロキサン / 金属錯体 / 電荷輸送 / Time-of-Flight法 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能の太陽電池や発光トランジスターを実現するためには、p-型有機半導体分子とn-型有機半導体分子の凝集構造をナノメータースケールで制御し、効率的な電荷輸送ルートを確保しつつ、高密度のp/n接合を形成する必要がある。本研究では、液晶性半導体のナノ相分離を利用して、高密度のp/nナノ接合を構築し、太陽電池や発光素子への応用を検討する。 側鎖末端にジシロキサン鎖を導入したPTCBI誘導体1はヘキサゴナルカラムナー相とレクタンギュラーカラムナー相を示し、室温での電子移動度は室温で0.1 cm2/Vsを越える。電子移動度の温度依存性を詳細に測定したところ、50℃以上では、温度上昇に伴い、電子移動度が低下した。0℃と50℃の間では、電子移動度は温度に依存せず、0℃以下では、温度が下がるにつれて、移動度も低下した。50℃以上では、カラム構造の熱的な揺らぎのため、π-πスタッキング距離が温度上昇に伴い増大しており、そのため、電子移動度が減少するものと考えられる。0℃以下では、カラム構造のディスオーダーのため、電子のホッピング障壁を反映した温度依存性が現れているものと考えられる。 側鎖末端に環状シロキサン部位を有するPTCBI誘導体を合成した。83℃以下でヘキサゴナルカラムナー相を示し、室温以下まで冷却しても、液晶相を保持した。室温では、電子輸送性を示し、電子移動度は1.2x10-4 cm2/Vsであった。 1,4,8,11,15,18,22,25位に置換基を有するフタロシアニンは、高いホール移動度を示すため、太陽電池への応用が検討されている。このフタロシアニン誘導体の液晶相温度領域を下げるために、側鎖末端にオリゴシロキサンを導入した。ジシロキサン鎖を導入した亜鉛錯体4は、91℃以下でヘキサゴナルカラムナー相を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高い移動度を示すn-型液晶性半導体、室温で液晶相を示すp-型液晶性半導体、重合可能な液晶性半導体の合成に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
p-型液晶性半導体とn-型液晶性半導体の複合化を進め、発光素子や太陽電池の作製を検討する。
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