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2012 Fiscal Year Annual Research Report

マイクロ材料試験によるMg-Zn-Y合金中に形成されるLPSO相の強化機構の解明

Publicly Offered Research

Project AreaMaterials Science of synchronized LPSO structure -Innovative Development of Next-Generation Lightweight Structural Materials-
Project/Area Number 24109506
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

高島 和希  熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60163193)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords構造・機能材料 / LPSO / 材料強度 / 材料評価 / マグネシウム合金
Outline of Annual Research Achievements

鋳造材を押出加工したMg-Y-Zn合金は、母相であるα-Mg相と析出相である長周期積層構造(LPSO)相から構成され、優れた機械的性質を示すことが知られている。この合金の強度発現機構を調べるためには、強化相となるLPSO相単結晶の機械的性質を調査する必要がある。しかしながら、LPSO相はプロセスを制御しても粗大な単結晶を得ることがきわめて困難である。ところで、研究代表者はマイクロ材料評価技術という新しい材料試験法を開発しており、この手法を用いると、従来の材料試験では解明できないMg-Zn-Y合金中に形成される微小LPSO相のintrinsicな機械的性質を直接評価することが可能となる。そこで、平成24年度は、Mg-Zn-Y一方向鋳造材のLPSO相から結晶方位を変えた微小単結晶引張試験片を切り出し、マイクロ材料評価技術を用いることで、LPSO相の機械的性質に及ぼす結晶方位の影響を調査した。その結果、c軸に対して45度傾けた試験片では、底面すべりが活動し、大きな伸びを示した。また、その臨界分解せん断応力(CRSS)は13 MPaであった。一方、底面すべりが活動しないc軸と垂直方向に切り出した試験片では、LPSO相の強度は約540 MPaまで上昇し、脆性的に破壊した。また、c軸に対して平行方向から採取した試験片では、約260 MPa付近で大きな応力低下が認められ、その後、応力の上昇下降を繰り返しながら破壊に至った。さらに、破壊後の試験片を観察したところ、双晶のような大きな段差が認められた。このように、LPSO相はきわめて大きい結晶異方性を示すことが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度は研究代表者が開発したマイクロ材料評価技術を用いて、LPSO相の基本的な機械的性質及びその結晶方位依存性を評価することを目的としていたが、LPSO相の変形機構として、双晶変形というこれまでにまったく知られていなかった変形挙動を明らかにすることができた。以上のように、当初の予定より大きな成果が得られていることから、当初の計画以上に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

LPSO相はキンク変形を起こすことが知られており、このキンクが機械的性質に大きな影響を与えると考えられているが、そのメカニズムは未だ明らかになっていない。そこで、強度上昇に及ぼすキンクの影響について検討する。まず、バルクの一方向凝固材に圧縮変形を与えることにより結晶内にキンクを導入し、平行部にキンクを含む微小引張試験片を作製する。試験片の作製にあたっては、すべり面を考慮してキンクの角度と試験片方位を変えた試験片を準備する。作製した試験片に対して、微小引張試験を実施し、キンクを導入していない試験片の結果と比較することにより、変形、強度に及ぼすキンクの効果を明らかにする。さらに、LPSO相の破壊メカニズムを調査することが、本合金の機械的特性を明らかにする上で、きわめて重要となる。そこで、LPSO相の破壊靱性、き裂伝播挙動についても、マイクロ材料評価技術を用いて明らかにする。加えて、マイクロ引張試験及びマイクロ破壊試験の結果を総合的に検討し、Mg-Zn-Y 合金中に形成されるLPSO 構造相の強靭化メカニズムの提案を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Microfracture behaviour of extruded Mg-Zn-Y alloys containing long-period stacking ordered structure at room and elevated temperatures2013

    • Author(s)
      Y. Mine
    • Journal Title

      Materials Science Engineering A

      Volume: 570 Pages: 63-69

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.msea.2013.01.069

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Mg-Zn-Y 合金における長周期積層構造相のマイクロ引張挙動2013

    • Author(s)
      高島和希
    • Organizer
      日本金属学会2013年春期講演大会
    • Place of Presentation
      東京理科大学神楽坂キャンパス
    • Year and Date
      2013-03-27 – 2013-03-29
  • [Presentation] Micromechanical Characterization of LPSO Phase in Mg-Zn-Y Alloys2012

    • Author(s)
      K. Taakshima
    • Organizer
      LPSO 2012: International Symposium on Long-Period Stacking Ordered Structure and Its Related Materials
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
    • Year and Date
      2012-10-01 – 2012-10-03
  • [Remarks] 熊本大学工学部マテリアル工学科先端材料研究室

    • URL

      http://www.msre.kumamoto-u.ac.jp/~sentan/

URL: 

Published: 2018-02-02  

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