2013 Fiscal Year Annual Research Report
PSTによる神経細胞因子NCAMのポリシアル化機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering sugar chain-based signals regulating integrative neuronal functions |
Project/Area Number |
24110520
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長江 雅倫 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖構造生物学研究チーム, 研究員 (60619873)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 結晶構造解析 / 糖鎖解析 / 蛋白質 |
Research Abstract |
ポリシアル酸はシアル酸がアルファ2-8結合で直鎖状に重合した細胞表面の糖鎖である。ポリシアル化糖鎖の付加反応は特異性が高く、神経細胞接着因子(NCAM)などのごく一部の蛋白質にしか起こらない。本研究課題の目的は、ポリシアル酸の付加反応および重合反応の両方を一度に行う合成酵素PSTの構造生物学的研究であった。しかし残念ながら研究期間内に構造生物学的研究に必要な量の高純度な蛋白質を確保することができなかった。しかし、筆者のコア技術を積極的に領域内に供与し、共同研究として以下の成果を得た。 1)抗ポリシアル酸抗体とオリゴシアル酸との複合体のX線結晶構造解析。ポリシアル酸は一部の病原菌の細胞壁の構成成分であり、その高感度な検出は感染症対策などで重要である。筆者らは抗ポリシアル酸抗体として知られるmAb735について、一本鎖抗体を作成し抗原であるオリゴシアル酸との結晶構造解析を行った。得られた構造は、複数の抗体が一つの抗原を認識するという珍しいものであった。これまでポリシアル酸の二次構造については諸説あり、ヘリックス構造をとるという説が有力であった。しかし我々の構造ではそのような特徴的な構造はとっておらず、代わりに抗体側が速度論的な機構によって高親和性を発揮している可能性が指摘された。 2)髄液中に含まれるトランスフェリンの糖鎖構造および生化学的解析。髄液は血液とは異なる循環系である。近年、髄液中のトランスフェリンの糖鎖構造が、認知症の一つである特発性正常圧水頭症の診断マーカーになる可能性が示唆された。我々は髄液から高純度にトランスフェリンを精製し、質量分析を用いた網羅的な糖鎖構造解析を行った。その結果、N-GlcNAc型糖鎖という新奇な糖鎖構造を発見した。さらに生化学的な解析を行い、血清中に含まれるトランスフェリンとは疎水性色素の結合性などで顕著な差異がみられることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Lectin-dependent inhibition of antigen-antibody reaction: application for measuring α2,6-sialylated glycoforms of transferrin.2013
Author(s)
Hoshi K, Kariya Y, Nara K, Ito H, Matsumoto K, Nagae M, Yamaguchi Y, Nakajima M, Miyajima M, Arai H, Kuno A, Narimatsu H, Shirotani K, Hashimoto Y.
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Journal Title
The Journal of Biochemistry
Volume: 154(3)
Pages: 229-232
DOI
Peer Reviewed
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