2012 Fiscal Year Annual Research Report
高分子表面への液中プラズマ照射により発現する界面反応場の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
24110707
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石島 達夫 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 准教授 (00324450)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 液中・液界面プラズマ / ナノ界面 / 重相構造プラズマ / マイクロ波プラズマ / 高分子薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
低温環境下で反応性を促進できる非平衡プラズマと、液体との相互作用を用いた新規の反応場を安定かつ制御性高く利用することを念頭に、以下の2つの実験系構築を目指した. 1)液体内の気泡という閉じた系に、局所的に、非平衡のプラズマを長時間、安定して生成し、高分子表面に照射するための高機能プラズマ源の開発.2)気液固体のナノ界面反応現象を調査するための大気圧下で安定した低温プラズマ生成装置の開発. 1)については、デューティ比を可変できるパルス変調マイクロ波励起プラズマ源を採用し、外部制御因子(デューティー比、パルス周波数、放電電力など)に対するプラズマ生成特性を調べ、発光分光法や化学プローブ法などにより気相中の活性種診断と液相中の活性種との対応関係を明らかにした.また、液中環境に置かれた高分子表面に気泡プラズマを安定して繰り返し接触させ、様々な高分子材料と重相環境下にあるプラズマとの対応関係を検討した.2)については、低周波の高電圧源と希ガスを採用することで、安定した低温大気圧プラズマを発生させる装置を開発した.なお本装置は液滴(ミスト)導入によっても安定したプラズマ生成が可能である.また液体や固体表面への照射が可能であることから、液体だけでなく湿潤環境下にある生体表面へのプラズマ照射により発現する反応現象についても異分野連携により対応関係の検討を進めた.液体とプラズマ源との距離やプラズマ生成側の印加電圧などと、化学プローブ法により検出可能な液体中に生成される化学的活性種の生成レートとの相関関係を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究がきっかけで化学工学分野との連携研究へ展開し産業応用上有望な結果が得ることができ、特許出願を行った.また異分野間にまたがった連携研究が当初計画以上に進んでおり本新学術分野が異分野に波及する効果が期待される.得られた成果は今後、雑誌への発表を通じて公表していく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
重相構造プラズマを用いた高分子表面に発現する反応場への影響を調査するためプラズマ診断とともに表面反応場の計測を進め、さらにこの反応場を利用した新規プロセスの創出を試みる.また、本新学術領域研究の中でシミュレーションを行っている研究者らと連携し、重相構造プラズマを用いたプロセスのモデル化について検討を行い、プラズマナノ界面反応場に関する学理の構築を目指す.
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