2012 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子プラズマナノ界面における化学反応の解析と浮遊型熱センサの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
24110710
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 和生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50335189)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ界面プラズマ / 微粒子プラズマ / プラズマ / 温度計測 / プラズマプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、カーボンナノチューブやナノダイヤモンドに代表されるナノカーボンが科学分野並びに産業分野において注目されている。数あるナノカーボンの製造法の中でもっとも期待されているものが低温でこの物質を形成できるプラズマを用いた手法である。特に、プラズマにおいては、気相においてナノカーボンが大量に発生することが知られており(微粒子プラズマ)、プラズマとナノ物質との界面における化学反応を明らかにすることによって、ナノカーボン作製プロセスの著しい向上に期待できる。また、プラズマ気相において、結晶生成物(ナノダイヤモンド)が形成されることが確認されている。通常高温環境が必要とされる物質が形成されることについては、プラズマが電子及びイオンの温度について非平衡であることが関係すると考えられる。本研究では、プラズマ中の微結晶ナノカーボン(微粒子)の形成機構を解析するために、熱的非平衡環境であるプラズマとナノカーボンとの界面における熱ダイナミクス(微粒子の表面温度と運動エネルギーとの関係)を明らかにすることを目的とする。 平成22-23年度の研究で、プラズマ中の微粒子の表面温度を測定した。0.4 Wの電力を印加して発生させたプラズマにおいて、微粒子は室温から即座に348 Kまで加熱されることがわかった。この結果を定量的に解析するために、平成24年度にはプラズマのイオン密度と電子温度をダブルプローブ法により測定した。得られたイオン密度と電子温度はそれぞれ、5X10^8 cm^-3、5.4 eVであり、モデル計算によりこれらの値から推定される微粒子の温度は328 Kであった。実測値との誤差は、中性ガスの温度の推定値によるものと考えられる。誤差がそれほど大きくないことから、プラズマ中の微粒子表面における加熱機構は現在仮定するモデルに従うとしてよい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微粒子の温度の定量的な解析のためにプラズマ計測を行った。それに多くの労力を費やしたため、微粒子の加熱へのラジカルの効果を検証することが十分にできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
微粒子の加熱機構の検証のためには、プラズマ計測を丁寧に行うことは必要である。緻密な計測結果をもとにモデル計算を重ね、今後も機構の解明を進める。
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Research Products
(7 results)