2012 Fiscal Year Annual Research Report
液中レーザー溶融法における間接発生プラズマのゆらぎ変調の試み
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
24110713
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石川 善恵 香川大学, 工学部, 准教授 (20509129)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 液中レーザー溶融法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自に開発中の「液中レーザー溶融法」における「間接発生プラズマ」の時間的・空間的ゆらぎをレーザー照射条件で変調し、粒子生成プロセスの制御を試みることを目的としている。本手法は現在詳細なメカニズムを解明中であるが、間接発生プラズマは、液中に分散させた原料ナノ粒子にナノ秒パルスレーザー光を照射することで原料ナノ粒子を選択的に加熱溶融し、その熱が液相中に拡散する際に界面において引き起こされる液相分子の急速加熱による熱分解によって発生すると考えられる。そこで本年度は分光学的手法を用い、種々のレーザー照射条件における過渡的変化の検証を試みた。当初の計画では発生するプラズマの分光的な解析を行う予定であったが測定が困難であったため、レーザー照射により黒体放射と考えられる発光の分光測定を行い、レーザー照射による反応空間の温度とレーザーフルエンスの関係および分散媒依存性を調べた。 原料としてホウ素粒子を液中(水およびエタノール)に分散し、Nd:YAGレーザーを様々なフルエンスで照射した。このときの照射方向に対して垂直方向の分散液からの発光を、照射パルスからゲート遅延200 ns、ゲート幅300 nsの条件で分光器を付属したICCDカメラにて測定し、得られたスペクトルをプランク式に近似することで反応空間の温度を評価した。反応空間の温度はレーザーフルエンスの増加に従い上昇し、照射後に溶融によると考えられる球状化が確認できたレーザー条件下ではホウ素の融点である約2350 Kを超えると評価された。これらの検証より、本プロセスでは短いパルス照射によっても原料粒子の溶融が起こっていることが初めて実験的に示唆された。 また今後、様々な凝集状態での原料粒子を使用して上記の評価を行う予定であることから、原料粒子の分散状態がレーザー照射後の生成物に及ぼす影響の評価を予備的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(理由)液中でのプラズマの計測が困難であったことが理由として挙げられる。しかし、急遽黒体放射を計測することで粒子及び界面を含む反応空間の温度を推定することが出来たので大幅な遅れは回避できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き液中でのプラズマ計測を試みるが、平行して本年度で得られた黒体放射の測定・評価を基として本手法のより詳細なメカニズムの解明およびゆらぎの制御、さらにゆらぎが生成物に及ぼす影響の検証を試みる。
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