2013 Fiscal Year Annual Research Report
IV族元素を基盤とした膜とプラズマとの反応解析によるプラズマ応用プロセスの最適化
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
24110716
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 正典 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80346931)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 赤外吸収分光法 / 多重内部反射 / プラズマ / アモルファス炭素膜 / IV族元素 / 自己組織化膜 / 反応 / 生体分子 |
Research Abstract |
プラズマ技術を用いたバイオ・医療の実現には,プラズマとバイオ分子の反応解析が必要である。しかし,バイオ分子は種類が多いばかりか,分子量も大きく,様々な官能基を持っており,すべての分子を調べることはできない。そもそもバイオ分子は炭素を基盤とする材料であるので,これまで,炭素,シリコンなどIV族元素を基盤とした膜とプラズマとの反応解析は広く調べられており,これらの知見を利用することにより,プララズマの医療・バイオ応用の最適プロセスを提示できると考えられる。本研究では,化学結合状態・膜の構造が規定される自己組織化膜(SAM) をバイオモデル物質ととらえ,SAMとプラズマとの反応に注目した。SAMは種類を選ぶことで様々な官能基を持った表面状態を作り出せるため,特定の官能基とプラズマの反応を調べることが可能である。さらに,生体分子は水や血液など液体中で反応することが多いため,液中プラズマとの反応に注目した。 タンパクの主要な構成要素であるNH2に注目し,NH2で終端されたSAMとH2O2中のプラズマの反応,CH3で終端されたSAMとH2O2中のプラズマの反応を比較することで,終端しているNH2,SAMの骨格の-CH2-の結合について赤外吸収分光を用いたその場計測を用いて調べた。CH3で終端されたSAMでは,プラズマの曝露と共にCH2は分解されていくことが分かった。一方で,NH2で終端されたSAMでは,プラズマの曝露によりNH2の結合は消失するが,CH2は減少しない。ここから,NH2はプラズマにより分解されるのではなく,NO化され,分子量がNH2よりも大きくなることによりプラズマの生成種がSAMの骨格の-CH2-に到達するのを防ぐキャップをする効果となる。本研究により,巨大なバイオ分子を取り扱う際に重要な知見が得られたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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