2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ膜厚積層プロセスのためのパルス制御プラズマ
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
24110719
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
八田 章光 高知工科大学, 工学部, 教授 (50243184)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | プラズマ / カーボンナノチューブ / ダイヤモンドライクカーボン / ダイヤモンド / ナノ構造 / ゆらぎ / 微粒子 / パルス |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ波プラズマCVD方法において炭素源であるメタンをパルスバルブで導入した。変調の速度が遅く時間変調によるゆらぎを誘起したが、空間的な密度ゆらぎの誘起に至っていない。メタン原料ガスのパルス供給によるダイヤモンド成長では期待に反して成長速度が低下したが、発光分光スペクトルでC2の発光に顕著な違いが認められ、ダイヤモンド成長過程への効果が確認された。SEMの真空チャンバー内における真空中マイクロガスジェットで局在ガスの分布を形成し、直流放電を行った。C2H2ガスを用いて約100μmの領域のみに膜厚数μmのa-C:Hを選択的に形成することができた。 ナノ膜厚積層の試みとして1~数秒の成膜で膜厚10nm程度のa-C:Hを堆積しXRRによる表面界面層の構造解析を行い、Si基板との界面に厚さ1nmのSiC層が、成長表面には2nmの低密度層が存在することを確かめた。ナノ膜厚積層のためには基板へのイオン照射エネルギーとなるセルフバイアス電圧を低減する必要がある。プラズマ生成とバイアス印加を独立に制御する必要がある。 ナノ膜厚Fe/Al積層触媒にさらにナノ膜厚のNiを積層することで微粒子の凝集を抑制し、CNTの密度と配向性を改善できること、およびそのメカニズムはNiとFeの合金形成によるものであることを明らかにした。またスパッタ成膜のナノ膜厚Ni層について、電気伝導度のその場測定により、微粒子状の触媒金属を再現性よく形成できることを示した。 金属のコンタミによるDLCやダイヤモンド表面へのナノ構造形成について引き続きメカニズムの解明に取り組み、コンタミを抑制した上で意図的に付着させたサブナノ膜厚の様々な金属でナノ構造の形成、および消失の過程を明らかにした。ナノ構造によりDLC表面の親水化が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した実験はほぼ予定通り遂行し結果が得られている。本研究の目標達成に向けて問題点も明確になり、次年度(最終年度)には多くの論文発表が期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度の結果から、当初目標の達成に向けて課題が明確化され、既存装置の改良などが必要となった。ダイヤモンド結晶成長におけるパルスガス供給は、成長への効果は確認されたが、成長速度を向上することは達成されず、むしろ低下している。ガスの反応過程について質量分析や発光分光分析を時間分解で行う必要がある。また特にナノ膜厚のDLCとグラフェン膜の形成には、プラズマCVDにおける基板バイアスを適切に制御する必要があり、プラズマ生成電源と独立して制御可能なバイアス法が必要となる。
|
Research Products
(21 results)