2013 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NF-Yを介した新たな神経維持・変性機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Brain Environment |
Project/Area Number |
24111553
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山中 智行 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (00381575)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 転写因子 / 神経変性 / NF-Y / ユビキチン / 小胞体 |
Research Abstract |
NF-Yは、NF-YA, -YB, -YCの3者複合体からなる転写因子であり、プロモーター領域のCCAATモチーフに結合し、遺伝子発現を制御している。そのノックアウトマウス・繊維芽細胞を用いた解析から、NF-Yが細胞周期制御を介した細胞増殖に必須であること、その活性は非分裂細胞へと分化する際に消失することが知られている。一方で、最近我々は、NF-Yが分化した非分裂の神経細胞でも活性があること、また、神経変性疾患であるハンチントン病で、その活性が低下することを明らかとした。これらのことから、NF-Yは分化した神経細胞でも、その維持・機能になんらかの役割を担っていると期待される。 本研究ではNF-YAの脳神経細胞特異的ノックアウトが、グリオーシスを伴う神経脱落を引き起こし、マウス脳重・体重減少、寿命短縮といった症状を誘発することを明らかとした。興味深いことに、変性神経細胞では、膜タンパク質の不溶化しユビキチンやp62と共に小胞体に蓄積すること、また小胞体自体も異常に増加していることが確認された。また、クロマチン免疫沈降-DNA microarray(ChIP-chip)により、小胞体シャペロンであるGrp94等が同定され、これらが小胞体構造変化に関わっていることが示唆された。以上のことから、NF-Yが神経細胞の生存に必須であることが明らかとなると共に、その欠損が異常タンパク質の蓄積や小胞体構造異常を伴う特徴的な神経変性病態を引き起こすことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)