2013 Fiscal Year Annual Research Report
分泌経路のリモデリングが上皮管腔組織形成に果たす必須の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of polarity signaling during morphogenesis, remodeling, and breakdown of epithelial tubular structure |
Project/Area Number |
24112525
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (50294955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ゴルジ体 / GRASP65 / βカテニン / リン酸化 |
Research Abstract |
イヌ腎臓上皮細胞(MDCK)をガラス基質上でコンフルエントになるまで培養し,単層上皮様の構造を形成させた。免疫蛍光染色法を用いて,ゴルジ体に局在するGRASP65の局在を解析したところ,細胞が密着結合を形成し単層上皮様の構造を形成するにともなって,GRASP65の細胞膜への移動が観察された。GRASP65は小胞繋留因子として機能し,小胞体からゴルジ体への輸送小胞の標的となり輸送を促進する働きを持つ。従って,GRASP65は単層上皮構造形成の際,細胞膜にも局在して,ゴルジ体を介さない新規な輸送経路に関与することが示唆された。GRASP65の細胞膜局在を形態学的・生化学的手法で精査したところ,リン酸化されたGRASP65が細胞表面に移行している可能性が示唆された。しかしながら,リン酸化GRASP65抗体を用いてリン酸化GRASP65のウェスタンブロッティングによる検出を試みたところ,予想される65KDaの位置にシグナルが検出されず,一方110KDaの位置に強いシグナルが検出された。共同研究によって,この110KDaのタンパク質を同定したところ,βカテニンであることが明らかとなった。この結果から,リン酸化GRASP65抗体がβカテニンと交叉反応することが強く示唆された。従って,残念ながらリン酸化GRASP65の細胞膜への特異的な移行を証明することができなかった。しかしながら,GRASP65を過剰発現させると細胞膜へ容易に移行することから,リン酸化GRASP65が細胞分化・分極にともなって細胞膜へと移行する可能性は十分残っている。逆にβカテニンとの交叉反応は,リン酸化されたGRASP65とβカテニンが共通の結合基質を持つ可能性を示しており,GRASP65とβカテニンのクロストークという画期的な可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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