2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物の配偶子融合および受精卵分裂過程における金属元素制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
24112704
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
高橋 美智子 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (90345182)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄、亜鉛、銅、マンガンなど必須金属元素の欠乏により花粉形成の異常、不稔、収量低下が起こる。これら必須元素の重要性にも関わらず、植物の受精および胚発生過程における金属元素の役割の詳細は未だ解明されていない。本研究ではイネの受精(植物における配偶子融合過程)および受精卵の細胞分裂過程(初期胚発生)における亜鉛の役割を明らかにすることを目的とする。イネ単離配偶子を材料とし、in vitro受精系を用いて、亜鉛の配偶子融合への影響、イネ卵への亜鉛の供給形態、亜鉛結合タンパク、亜鉛関連の遺伝子が受精および受精卵の細胞分裂過程にどのように関連するか明らかにする。これにより植物の受精における金属元素(特に亜鉛)の役割および細胞内制御機構が分子レベルで明らかになり、動物の配偶子融合過程との共通機構が解明される。24年度は受精卵の分裂における亜鉛の役割を解析した。亜鉛欠乏条件下で受精卵を培養すると、細胞分裂が途中で停止し正常な初期胚発生が行えないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者の新規蛍光ラベル化合物の開発が予定より遅れているが、それ以外は研究がほぼ予定どおり進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 配偶子融合過程および受精卵分裂に関わる金属タンパクの同定 金属タンパクの検出はSPring-8において行い、アミノ酸配列の同定は東京大学において行う。金属を結合した状態(未変性)のタンパクを1次元電気泳動し電気泳動後のゲルのレーンに沿って放射線を照射し、蛍光X線解析を行う。鉄、亜鉛、銅、マンガンの検出を行い、蛍光強度の高い場所を金属タンパクが存在する可能性が高いと考える。有望と思われるバンド付近のタンパクのアミノ酸配列を解析し、同定する。 2)配偶子融合過程および受精卵分裂過程に関わる金属関連遺伝子および金属タンパクの機能解析 24年度に見いだした金属関連遺伝子および金属タンパクの遺伝子を遺伝子配布機関から入手し、酵母あるいは大腸菌によりタンパクを合成して機能を解析する。遺伝子導入植物(過剰発現、発現抑制)を用いた機能解析も行う。また、細胞内局在を明らかにする。
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Research Products
(5 results)