2012 Fiscal Year Annual Research Report
精子膜に起こる配偶子認識と融合に関する超微形態および分子レベルの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
24112706
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
年森 清隆 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20094097)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Equatorin / 精子 / 先体反応 / 配偶子認識 / 配偶子膜融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
精子先体膜タンパク質エクアトリン (Eqtn)は、精子が最終的な授精能を獲得する段階でその局在と分子サイズを変化させる。電顕的免疫金法を含む分子細胞学的解析の結果から、エクアトリンが存在する周囲の微細構造(基質物質)との関係を示唆するデータを得た。膜融合準備段階から頭部進入過程(卵活性化)におけるエクアトリン分子変化の意義について総説した(J Electron Microsc,2012)。研究期間中に他のグループから、SPESP1の欠損(KO)マウス精子ではエクアトリンが増えることが示されたため、エクアトリンとSPESP1との関係を解析中である。GalNAc糖転移酵素Galnt3欠損精子を解析した結果、エクアトリン配列138スレオニンから分岐するMN9抗体に対するエピトープ部の糖鎖がO-グリコシレーションされて伸びるためにはGalnt3糖転移酵素が必要であり、GlcNAcbeta1-3-GalNAcarfa1-Ser/Thr構造を持つことを共同して発見した(Histochem Cell Biol, 2013)。超顕微鏡の一つであるSTED方式を用いてEqtn-EGFPトランスジェニック(Tg)マウス精子先体膜系が切片にしないまま可視化されることを世界で初めて示し、また電顕的免疫金法と超顕微鏡STEDを併用して精子形成過程におけるエクアトリンの先体への配備過程を明らかにした (Cell Tissue Res, 2013)。受精中のエクアトリンは精子CD9やIzumo1に比較して、先体膜に安定して残りながら卵形質内に取り込まれることが分かった。現在、EQT-EGFP TgやCD9-EGFP Tgを用いてさらに詳細に解析中である。Eqtn-KOホモマウスについて次世代シークエンスのデータを得て解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。やや遅れている部分はEqtn-欠損マウスの戻し交配とそのフェノタイプ確認のために時間がかかっている点である。原因は生まれた仔を母親が喰殺してしまうことが多かったためであるが、マウスが置かれている環境も影響があると考えられたため、途中で別部屋へ移動した。また、エクアトリンの生理学的意義の解析にも時間を要している。関連分子を探るために次世代シークエンスデータを集積し、現在解析中であるがこの解析にも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
目的としたEqtn欠損マウスあるいはGFP-Tgマウスの作成はやや遅れはあるが、ほぼ順調に進展しているため、これらをもとにした詳細な解析を今後行う。特にエクアトリン周囲構造と精子内ドメイン間(特に前先体と赤道部)の分布差と機能との関係に注目して研究を進める。遺伝子ノックアウトマウスやGFP遺伝子導入マウスが揃うとトータルな比較解析が可能となる。また、種々のトランスジェニックマウスを組合わせた実験も可能となるため実験の幅が広がり、微細構造との対比が可能となると考えられる。また、次世代シークエンスデータを解析し、関連して動く分子の遺伝子やタンパク質についても解析を進める。
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[Journal Article] Galnt3 deficiency disrupts acrosome formation and leads to oligoasthenoteratozoospermia.2013
Author(s)
Miyazaki T, Mori M, Yoshida CA, Ito C, Yamatoya K, Moriishi T, Kawai Y, Komori H, Kawane T, Izumi S, Toshimori K, Komori T.
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Journal Title
Histochem and Cell Biol.
Volume: 139(2)
Pages: 339-354
DOI
Peer Reviewed
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