2012 Fiscal Year Annual Research Report
父母性因子の協働により植物初期胚の体軸が形成される分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Correlative gene system: establishing next-generation genetics |
Project/Area Number |
24113514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
植田 美那子 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (20598726)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | パターン形成 / 転写因子 / 植物胚 |
Research Abstract |
(1) 異なる親由来のMPK、WRKY2、POZの相互作用が体軸形成に果たす役割の検証 シロイヌナズナ培養細胞の一過的発現系を用いたゲルシフト解析によって、WRKY2タンパク質がリン酸化されることを直接的に示した。また、WRKY2やPOZなどが欠損した変異体の表現型の強度にはバラつきがあるものの、いずれもWOX8の過剰発現によって相補されることを見出したことから、これらが同一経路で働くことを示すことができた。 (2) 父母因子の制御下で胚発生を担う因子の網羅的探索 野生型とwrky2変異体のそれぞれから単離した受精卵を用い、次世代シーケンサーによる大規模発現解析をおこなった(カナダ・NRC-PBIのRaju Datla博士との共同研究)。詳細なデータ解析の結果、wrky2変異体で特異的に発現量の低下していた27遺伝子を見出し、それぞれについて欠損株を入手して解析したところ、受精卵や初期胚形成に異常を示す株が見つかった。現在、受精卵極性やパターン形成のさまざまなマーカーをこの変異体に導入中であり、形質転換体が得られ次第、詳細な解析をおこなう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に挙げていた2項目である、(1) 異なる親由来のMPK、WRKY2、POZの相互作用が体軸形成に果たす役割の検証、(2) 父母因子の制御下で胚発生を担う因子の網羅的探索はどちらも順調に進展しており、新たな候補因子の同定など、顕著な発見があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はWRKY2タンパク質のリン酸化制御の詳細について明らかにするべく、WRKY2タンパク質に見出された5箇所のは推定リン酸化部位に変異を導入し、リン酸化の有無と転写活性のレベルを比較する。 また、下流因子の候補として得られた新規因子についても、さまざまな分子マーカーを用いて詳細な解析を進める。
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