2012 Fiscal Year Annual Research Report
異常タンパク質インターフェイスとしての天然変性領域の機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
24113702
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岩脇 隆夫 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 講師 (50342754)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / タンパク質品質管理 / IRE1 / PERK / 分子シャペロン / 天然変性タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小胞体タンパク質品質管理機構において天然変性タンパク質の機能を解明することである。ここで対象とする天然変性タンパク質には「小胞体ストレスセンサー」と「小胞体関連分解因子」であり、平成24年度はIRE1とPERKに関する研究を中心に遂行した。このIRE1やPERKに関して次のことが以前から分かっていた。IRE1もPERKも小胞体局在型I型膜タンパク質として存在し、小胞体内腔で生じるタンパク質の構造異常を監視している。もし小胞体内で異常構造化したタンパク質が増加すると、IRE1やPERKは小胞体膜上でホモ二量体化またはホモ多量体化し、自身が有するキナーゼ活性やRNase活性を発揮して小胞体分子シャペロン遺伝子群の発現を上昇させながら構造異常タンパク質の量を軽減するように働いている。ただIRE1においてもPERKにおいても構造異常タンパク質を認識する分子機構は謎のままである。このような状況の中、本年度新たに得られた知見は以下の通りである。哺乳動物にはIRE1が2種類存在し、一方をIRE1α、他方をIRE1βと呼ぶ。小胞体内に構造異常タンパク質が少ない時、IRE1αはBiPと結合状態に有り、その活性が抑制させている。しかし小胞体内に構造異常タンパク質が多い時、IRE1αはBiPから解放されるため二量体または多量体形成することがわかった。IRE1βは構造異常タンパク質の変化に関わらずBiPとは結合しない。代わりに小胞体内で構造異常タンパク質が多くなると、IRE1βはそれらと直接結合して、それらを介在するように多量体形成することがわかった。興味深いのはBiPや構造異常タンパク質との結合領域がIRE1の天然変性領域と一致するところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた主な研究にはIRE1およびPERKの小胞体内腔領域内にある天然変性領域の機能解析があるが、いずれも計画通りに遂行できた。特にIRE1の解析から得られたデータからは構造異常タンパク質の感知に関わる新たな知見が得られたため現時点で論文発表に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究がおおむね順調に進展しているので、計画通りに研究を遂行するつもりである。特に計画変更や新たな課題は今のところ見当たらない。
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Research Products
(10 results)