2013 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン構造をもたない天然変性タンパク質群に対する構造機能相関解析
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
24113706
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相澤 康則 東京工業大学, 学内共同利用施設等, 講師 (90418674)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タンパク質構造機能相関 / ノンコーディングRNA / タンパク質分解 / 細胞内シグナル伝達 / イオンチャネル / プロテインキナーゼA / 小胞体 |
Research Abstract |
天然変性タンパク質での構造機能相関性を理解するためには、ドメイン構造をもたない、全長にわたって天然変性なタンパク質(以下、全長IDP)を研究対象とする必要性がある。本研究課題では細胞内で機能を発揮する新規全長IDPの同定と、その機能発現メカニズムの解明を研究目的とした。本年度は3種類の新規全長IDPの機能解析に大きな進展があった。これら全ての研究成果は現在論文投稿中あるいは発表準備である。 昨年度までにイオンチャネルを活性化させることが明らかになっていた膜貫通型IDP(以下IDP1)の作用機序が本年度の研究で明らかになった。これまで知られているイオンチャネル活性化機構のいずれとも異なる、新しい分子機構であった。2つめの全長IDPは、4種類あるプロテインキナーゼA(PKA)ホモログのうち、2種類に選択的に結合し、これらPKAを細胞形質膜に効率よく輸送、局在させることを我々は見いだした。3つめの全長IDPは、ノンコーディングゲノム領域、すなわち現在の遺伝子学に照らし合わせると遺伝子は存在しないと考えられているゲノム領域から同定された。このIDPは、IDP1と同様に膜貫通型IDPであり、小胞体機能に関与することなどが明らかになっている。以上、新たに同定されたこれら全長IDPはそれぞれ、異なる細胞内シグナル伝達経路を調節している。この結果は、細胞内シグナル伝達における分子機構を理解する上で、「鍵と鍵穴」を例にこれまで考えられてきた、劇的な構造変化を伴わないタンパク質間相互作用だけではなく、ドメインをもたない全長IDP間の相互作用原理を解き明かす重要性を強く示しているといえる。 また、全長IDPの細胞内安定に関する新しい知見も得た。現在、IDPはプロテアソーム分解系にその細胞内寿命を支配されていると考えられているが、この概念に反する実験結果を得ている。これも現在公表準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)