2013 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc37の天然変性領域によるシグナル伝達キナーゼ群の曖昧認識の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
24113714
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (70209914)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Cdc37 / Hsp90 / DYRK / 分子シャペロン / キナーゼ / ゲルダナマイシン / CK2 / 天然変性領域 |
Research Abstract |
Cdc37はHsp90のコシャペロンの一つで、Hsp90がさまざまなキナーゼと複合体を形成する際のキナーゼ認識を担う重要な構成要素である。これまでに、Cdc37のN末端に存在するキナーゼ認識領域のCK2によるリン酸化がキナーゼ認識に必須であることを明らかにした。アミノ酸配列の解析の結果等から、Cdc37のキナーゼ認識には認識部位の天然変性状態が重要な役割を果たすと考えられる。DYRKファミリータンパク質キナーゼはMAPキナーゼと類似のキナーゼドメインを持ち、ヒトを含む哺乳類ではDYRK1A, DYRK1B, DYRK2, DYRK3, DYRK4の5種類のメンバーから成る。今回、DYRKメンバーそれぞれの細胞内結合タンパク質の同定を行ない、DYRK1BおよびDYRK4がHsp90, Cdc37, Hsp70と特異的に結合することを新たに見出した。いずれの分子シャペロンも他のDYRKファミリーとは安定な複合体を形成しなかった。Hsp90阻害剤ゲルダナマイシンにより細胞を処理するとDYRK1BおよびDYRK4からHsp90・Cdc37が離脱した。この処理によりDYRK1B・DYRK4は細胞質にドット状のアグリゲートを形成し、最終的には細胞内レベルが低下したことから、Hsp90・Cdc37のシャペロン機能がこれらのキナーゼの細胞内凝集の阻害と安定性に必要であると示唆された。Cdc37と安定な複合体を形成しない野生型DYRK2の1アミノ酸置換によるキナーゼ不能変異体はCdc37・Hsp90と強く結合するようになった。以上の結果から、Cdc37の天然変性領域は互いに類似したキナーゼドメインのわずかな構造の違いを厳密に認識する事、また安定な複合体を形成せずにCdc37・Hsp90がクライアントキナーゼの構造形成に関与し得る事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)