2013 Fiscal Year Annual Research Report
Ferチロシンキナーゼの天然変性領域を介した細胞膜結合による活性化機構
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
24113715
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 俊樹 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30313092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Ferチロシンキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
チロシンキナーゼは、細胞外からの情報分子を細胞内シグナルへと変換する過程、いわゆる細胞内情報伝達系における最も初期の段階で機能する酵素である。細胞膜貫通型チロシンキナーゼは細胞外の液性因子の受容体タンパク質として、膜タンパク質であるSrc型チロシンキナーゼは細胞外マトリックスへの細胞接着によって活性化されることで、それぞれ細胞の増殖や運動を司る。医療分野においてもさまざまなチロシンキナーゼ阻害薬が臨床応用されており、BCR-ABLやEGF受容体などを特異的に阻害する分子標的治療薬が注目を集めている。本研究では、細胞質型チロシンキナーゼFerに存在する特定の立体構造を取らない「天然変性」領域(以下FX tail)に着目し、細胞膜との直接的な相互作用による活性化機序の解明を目的としている。本年度も引き続き、FXtailの膜結合能に関する解析を行った。その結果、FXbodyを含むFXドメイン全体に比べて、FXtail領域のみからなるコンストラクトは強い膜結合能を示すことが分かった。また、FXtailのカルボキシル末端側に存在するSH2ドメインを含めたFX+SH2コンストラクトもFXドメインに比べて高い膜結合能を持つことが明らかとなった。この結果は、FXtailがFXbodyと相互作用することで通常は閉じたコンフォメーションを取っており、膜結合に伴って開いた形に構造変化を起こす可能性を示唆している。架橋剤を用いた分子間架橋実験により、FXドメインはリポソーム存在下においてのみ高分子量の多量体を形成していることを示唆するデータも得られた。以上の結果は、チロシンキナーゼFerが生体膜との結合によって活性化するメカニズムに関する有用な洞察を与えるものと考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Functional link between Rab GTPase-mediated membrane trafficking and PI4,5P2 signaling.2014
Author(s)
Li, C., Kita, A., Hashimoto, Y., Ihara, M., Kato, A., Ogura, N., Doi, A., Oku, M., Itoh, T., Sakai, Y., Sugiura, R.
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Journal Title
Genes Cells.
Volume: 19
Pages: 177-197
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Phosphatidylinositol 4-phosphate in the Golgi apparatus regulates cell-cell adhesion and invasive cell migration in human breast cancer.2014
Author(s)
Tokuda, E., Itoh, T., Hasegawa, J., Ijuin, T., Takeuchi, Y., Irino, Y., Fukumoto, M., Takenawa, T.
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Journal Title
Cancer Res.
Volume: 74
Pages: 3054-3066
DOI
Peer Reviewed
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