2013 Fiscal Year Annual Research Report
天然変性蛋白質の細胞内解析に向けたペプチド分子のin‐Cell NMR計測
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
24113720
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
池谷 鉄兵 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30457840)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 天然変性蛋白質 / SH3ドメイン / 蛋白質立体構造 |
Research Abstract |
本研究は細胞内での天然変性蛋白質の動態を詳細に解析するために,比較的低分子量の蛋白質を用いて分子の構造とダイナミクスを計測することを目標としている.本年度は,DrkN SH3ドメイン蛋白質の解析とDEST法の解析プログラム開発に成功した. DrkN SH3は,至適緩衝溶液下でfold-unfold状態が混在する性質を持つ.この蛋白質の細胞内での挙動を明らかにするため,大腸菌とヒト培養細胞(HeLa)それぞれを用いたin-cell NMR計測と,細胞内環境を模したcrowderによるin-vitro実験を行った.解析の結果,大腸菌,およびヒト培養細胞(HeLa)を用いたin-cell NMR測定から得られたスペクトルでは,unfold由来のピーク強度がfold由来ピークと比較して著しく増加していた.また,crowder実験では,分子特性の違いを考慮した様々なサイズの有機高分子を用いたところ,リゾチームとPEGを用いた際に,in-cell スペクトルと同様にunfold由来ピークの強度比の上昇が観測された.以上,これまでの結果から,Drk SH3蛋白質は,原核,真核細胞内で,ともにunfold構造に大きく傾くことが示唆された.また,人工的な混雑環境下でのin-vitro実験から,この存在比の変化は特定のcrowderを用いることにより,ある程度再現可能であることも示唆された. DEST法を用いた細胞内ダイナミクス解析では,選択的安定同位体試料の作成と,Sf9を用いたin-cell NMRスペクトルの観測に成功した.しかしながら,依然S/N比が十分でなく,安定同位体試料の作成手順と測定法をより最適化する必要がある.DESTデータの解析プログラムの開発については,複数の速度論モデルにベイズ推定を用いてフィッティングさせるプログラムの開発に成功し,現在,性能評価を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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