2013 Fiscal Year Annual Research Report
高CO2環境における光合成誘導反応の生化学的・気孔的制限とその生態学的意義
Publicly Offered Research
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
24114710
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
唐 艶鴻 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (40270590)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 気孔 / RuBP / 光合成 / CO2 / 順化 / 光合成誘導反応 / ポプラ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
自然環境下では光強度が時間的に大きく変化し、数秒の間でも数百倍も変化する。このような短期的な変動は植物物質生産にどのような影響があるかは、高CO2 環境下では十分に把握されていない。本研究では、変動する光強度条件下での光合成に及ぼす高CO2の影響についてガス交換測定の手法で検討を行い、以下の主な成果があった。 1)高CO2による光合成誘導反応速度の向上は気孔の貢献が大きい:気孔が光強度の変化に正常に応答すると開放したままのポプラ2種、シロイヌナズナの野生株と気孔が開いたままの変異株、そして気孔を持たないスナゴケなど、系統分類上または形態的生態的にも大きく異なる植物種について、高CO2が光合成誘導反応速度に及ぼす影響を調べた。その結果、気孔応答できる植物では光合成誘導反応が高CO2によって加速されることが明らかになった。光に対する気孔の応答が少ない植物は高CO2による光合成速度の加速は少ないか不明瞭であった。また、高CO2による気孔制限の緩和は、木本のポプラより草本のシロイヌナズナでははるかに大きいことも分かった。今後その一般性についての検討が必要である。 2)光合成誘導反応におよぼす高CO2の長期的影響が短期的影響よりはるかに大きい:高CO2が光合成誘導反応に及ぼす影響は長期的な順化効果、と短期的な基質効果がある。ポプラとシロイヌナズナでは、いずれも高CO2による長期的な順化効果が光合成誘導反応速度への影響が高いことがわかった。しかも、その順化効果の60%以上は気孔コンタクタンスの変化によるものであった。気孔が開いたままの種または変異株では、高CO2による光合成誘導反応速度への影響はほとんど端的な基質効果と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|