2012 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス内分子数揺らぎが可塑性誘起に与える影響
Publicly Offered Research
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
24115520
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経細胞 / 蛍光寿命イメージング / 2光子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
記憶形成の最小単位であるシナプスの後端を形成するスパインの体積は0.1 フェムトリッター程度と非常に小さいため、1個のスパインには各種分子が平均10分子程度ずつしか存在しない。このような微小領域では、各種分子数および活性のゆらぎが機能に大きく影響する筈であると考え、揺らぎの程度を精度高く測定するための光応答型のタンパク質の開発を行っている。本年度は、シナプス長期増強にとって重要な働きをしていると考えられるCaMKIIに着目し、この分子の活性を青色光照射で、“ミリ秒レベルの時間分解能”と“マイクロメートルの空間分解能”で制御できるように様々な遺伝子改変を行った。光受容タンパク質であるPhototropin1のLOV2ドメインを用いて、青色光照射依存的に構造変化をおこし、活性化するCaMKII分子を様々なリンカーや点変異を導入することで作製した。作製したさまざまな変異体をHeLa細胞に発現させて青色光照射によって構造が変化するかどうかをモニターしており、これまでに、EGFPとEYFP変異体を融合させたプロトタイプの光応答型CaMKIIにおいて、光照射によって構造変化が起こることをFRETイメージングにより確認した。今後は、この分子の性能評価を生化学的に調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった光応答型のシグナル分子の開発に成功しつつある。これまでに、EGFPとEYFP変異体を融合させたプロトタイプの光応答型CaMKIIにおいて、光照射によって構造変化が起こることをFRETイメージングにより確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、プロトタイプの光応答型CaMKIIにおいて、光照射によって構造変化が起こることをFRETイメージングにより確認することができた。今後は、光照射によってこの分子のキナーゼ活性が変化するかどうかを生化学的に調べていく予定である。
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