2012 Fiscal Year Annual Research Report
RNA分解を介した核局在型高分子非コードRNA作用マシナリーの制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
24115706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (40294962)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | RNA分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、哺乳動物細胞における核内高分子非コードRNAの分解経路を明らかにすると共に、高分子非コードRNAの機能制御におけるRNA分解の生理的意義を明らかにすることである。この目的を達成するため、(1)各種の核局在型高分子非コードRNA(HOTAIR, ANRIL, MALAT1, NEAT1など)の分解制御にかかわる新規タンパク質の系統的ノックダウンスクリーニングを実施する。ノックダウンスクリーニングでは、small hairpin RNA (shRNA) 発現ライブラリーを使用する。さらに、(2)核内RNA分解経路が高分子非コードRNAの機能調節に重要な役割を担っているかについて多角的に検討する。既に、パラスペックルタンパク質PSFが核局在型高分子非コードRNAであるNEAT1の分解制御機構にかかわることを示唆する知見を得ている。また、 NEAT1の安定化がパラスペックルの構造と機能に影響することも見出している。これらの知見は、核内高分子非コードRNAには固有の特異的RNA分解経路が存在し、さらに、RNA分解は核内高分子非コードRNAの機能制御を担うとする考えを支持する結果である。本年度は、スクリーニングを900遺伝子以上について実施し、スプライシング因子がNEAT1の安定性制御に関与していることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定とほぼ同程度の研究進展があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、平成24年度に同定した新規の核内RNA分解因子の機能解析を中心に研究を展開する。具体的には、核内RNA分解因子の細胞内局在解析、分子間相互作用解析(標的RNA、及びnuclease等との相互作用)、変異体を用いた構造活性相関解析(機能ドメインの同定)、刺激依存的な局在変化や翻訳後修飾変化の有無の解析、などを実施する。また、分解標的となる核内高分子非コードRNAの機能(エピジェネティック制御など)がRNA分解によって制御されるかを調べる。以上の解析から、核内高分子非コードRNAの分解機構の分子基盤を明らかにするとともに、その核内RNA分解の生理的意義についても明らかにすることを目指す。
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