2012 Fiscal Year Annual Research Report
miRNAの成熟制御によるRNAネットワークの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
24115707
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非コードRNA / miRNA / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Lin28aノックアウトマウスの表現型解析を基盤とし、Lin28aの新たな標的遺伝子、及びLin28aを介した新規RNA制御機構を明らかにすることで、RNA階層における新規遺伝子発現制御機構の解明を目的とする。 本年度は、神経系、生殖系、代謝系におけるLin28aノックアウトマウスの表現型の解析を行った。Lin28aノックアウトマウスは野生型に比して、体格が小さい他、代謝経路などで興味深い異常が観察された。これらの表現型の詳細を明らかにするため、同腹仔の野生型、及びLin28aノックアウトマウスの胚および組織を採取し、固定後、パラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色などの組織学的解析を行い、それぞれの組織における特異的な遺伝子発現の異常を定量的RT-PCR、in situ hybridization、及び免疫染色などで解析した。 また、Lin28aの標的遺伝子として報告されているlet-7の発現を比較したところ、Lin28aノックアウトマウスにおいてlet-7の発現が顕著に亢進していることが明らかとなった。このことから、我々の作製したLin28aノックアウトマウスは、他のLin28a標的遺伝子の探索にも有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究において支障はなく、ほぼ計画どうりに研究をすすめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き、Lin28aノックアウトマウスの表現型解析を基盤とし、Lin28aの新たな標的遺伝子、及びLin28aを介した新規RNA制御機構を明らかにすることで、RNA階層における新規遺伝子発現制御機構の解明を目的とする。 Lin28aノックアウトマウス表現型の詳細を明らかにするため、それぞれの組織における構造異常を検討し、特異的な遺伝子発現の異常を定量的RT-PCR、in situ hybridization、及び免疫染色などによる解析を継続し、以上の解析を基に、個体発生におけるLin28aの機能をin vivoで明らかにする。 我々の作製したLin28aノックアウトマウスは、他のLin28a標的遺伝子の探索にも有用であることが示唆されたことから、マイクロアレイ、及びTaqmanアレイを用いて、Lin28aノックアウトマウスにおいて発現が上昇しているmRNA、及びmiRNAを探索する。また、同定されたLin28a標的遺伝子候補に対して、定量的RT-PCR、in situ hybridization、免疫染色等を行うことにより発生における自空間的な解析を行い、それらの遺伝子の発現と機能とLin28aによる制御の意義について考察する。
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