2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるマイクロRNA生理機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
24115714
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 亨 慶應義塾大学, 医学部, その他 (20301492)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨代謝 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
骨代謝は形成と吸収のバランスの厳密な制御によりその恒常性が維持されている。本申請者は世界で初めてRNAヘリカーゼ p72 の全身性KOマウスの作製に成功し、その解析から p72 が特定のmiRNA群のプロセシン グに重要な因子であることを証明した。我々の予備的検討により、p72 にプロセシングを受けるmiRNA 群が骨代謝調節機能を持つ可能性が強く示唆された。これらの知見を踏まえ、マウスを用いた個体レベルでのmiRNAによる骨代謝調節機能の解明を行うことにした。 p72の生体内での機能を解明するため、p72 floxマウスを作製することとした。 floxマウス作製にあたり、まずin vitroにおいてp72が骨芽細胞分化に影響を与えるかについて解析を行った。マウス線維芽細胞由来MC3T3 #8211;E1細胞を用い、siRNAでp72をノックダウンすると骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼの活性が低下した。またp72と非常によく似た分子であり、RNAヘリケース活性を有するp68についても同様の解析を行ったところ、p68も骨芽細胞分化に影響を及ぼすことを明らかにした。floxマウスにはTT2 ES細胞を用い、4ラインの相同組み換えクローンを取得した。これらESクローンよりキメラマウスの作製を行ったところ、全てのラインでキメラマウスを取得し、その後の交配によりES細胞を由来とするF1マウスの作出に成功した。また、p72の組織特異的トランスジェニックマウスの作製を試み、数匹の組織特異的founderマウスの作出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の大きな柱であるfloxマウスの作製に関し、キメラマウスからF1マウスの取得に時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度はキメラマウスからのF1マウスの取得に時間を要してしまった。原因としてはマウス飼育施設の設備的な問題が考えられる。このため、マウスの飼育管理を別の飼育施設に移動し、floxマウスと各Creマウスとの交配を急ぎ、骨組織の解析を進める。これらマウスの解析と同時進行でin vtro系での実験を詳細に詰める。また、miR145に関してはマウスを用いた骨髄除去法にmiR145の生理機能を生体レベルで検討する。
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