2012 Fiscal Year Annual Research Report
NAD/Acetyl-CoA代謝がヒストンアセチル化に及ぼす影響
Publicly Offered Research
Project Area | Crosstalk of transcriptional control and energy pathways by hub metabolites |
Project/Area Number |
24116511
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中川 崇 富山大学, 先端ライフサイエンス拠点, 特命助教 (40610374)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストンのアセチル化・脱アセチル化は、Acetyl-CoAやNADといった細胞内の代謝産物がトナーやレシピエントとして必要であり、これら代謝産物がヒストンアセチル化制御に重要な役割を果たしていると考えられる。しかしながらAcetyl-CoAやNADは細胞内での重要な代謝産物であり、様々な代謝経路でコントロールされていることから、これら代謝産物が実際にどのような状況でヒストンアセチル化の制御に関わっているか、未だ良く解っていない。本研究課題では、低栄養状態に伴ったグローバルなヒストン脱アセチル化に着目し、その分子メカニズムを解明するとともに、グローバルなヒストン脱アセチル化とAcetyl-CoA/NAD代謝との関連を明らかすることを目標とした。今年度は、さまざまな低栄養状態に伴ったヒストン修飾のの状態についてウエスタンブロットを使って解析した。また低栄養状態に伴った代謝物の変化について、質量分析計を用いて測定出来る系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は低栄養状態におけるヒストン修飾のグローバルな変化について、基礎的なデータ収集を行った。また低栄養状態に伴った代謝物の変化について、質量分析計を用いて測定出来る系を構築した。以上より、計画はおおむね順調に進展していると考えている
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Strategy for Future Research Activity |
低栄養状態におけるヒストンのグローバルな脱アセチル化の制御機構について、そのメカニズムを解明し、代謝産物による転写の「逆向き」制御機構の生物学的意義について明らかにする。そのため、低栄養状態におけるヒストンのグローバルな脱アセチル化制御の分子メカニズム解明、低栄養状態におけるヒストンのグローバルな脱アセチル化の転写への影響解明を目指す。今後は、特にヒストン脱アセチル化に影響を及ぼす代謝経路の同定を目指し、質量分析計によるメタボロミクス解析を行う。また、ヒストンのグローバルな脱アセチル化によって、どのような遺伝子群が影響を受けるのか、ChIP-Sequenceを行い、ゲノムワイドに解析していく。これら解析を通して、低栄養状態におけるヒストンのグローバルな脱アセチル化について、その制御メカニズムから、生物学的意義まで明らかにしていく。
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