2012 Fiscal Year Annual Research Report
P.acnes由来肉芽腫形成因子の同定とワクチンへの応用
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
24117701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 正 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20212219)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 免疫 / 細菌 / 感染症 / シグナル伝達 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
肉芽腫形成は自然炎症反応による病変のひとつであり、細菌感染など病原体の侵入に対して、病原体を隔離する生体防御のひとつと考えられている。興味深いことにシグナル伝達分子Tyk2欠損マウスにおいてP.acnes誘導性の肉芽腫形成反応が抑制されることを見出しており、Tyk2欠損マウスを利用しつつ、肉芽腫形成を担うP.acnes由来因子を同定し、その特異的モノクローナル抗体の獲得と、特異的モノクローナル抗体による肉芽腫形成の阻害、さらにP.acnes由来因子による肉芽腫形成の分子機構の解明するため本年度は以下の研究を行なった。1.肉芽腫形成応答におけるケモカイン群の解析 P.acnes誘導性の肉芽腫形成反応に対応して種々のサイトカインやケモカインの産生が誘導されるが、Tyk2KOマウスにおいてはそれらの産生低下が顕著である。特にP.acnesによりマクロファージにより誘導されるケモカイン群発現に注目し、その分子機構を検討し、Tyk2下流のSTAT3の活性化が重要であることが明らかとなっている。2. P.acnes菌体からのP.acnes由来肉芽腫形成因子の精製とP.acnes由来肉芽腫形成因子に対する抗体の作製 現在、P.acnes由来蛋白に対するポリクローナル、モノクローナル抗体を作成しており、それらの抗体を用いた肉芽腫形成や免疫活性化効果への影響を検討する予定である。3.活性型Tyk2変異体発現トランスジェニックマウスでのP.acnes誘導肉芽腫形成の解析 すでに種々のTyk2点変異体の作成により活性増強されたTyk2変異体を発見しており、より効率的P.acnes誘導性の肉芽腫形成反応検出のための活性型Tyk2Tgマウスを作製する予定である。さらにこれらの研究過程でTyk2が炎症応答を惹起するサイトカインIL-23による病気発症に重要であることも明らかにした(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、P.acnes由来蛋白に対するポリクローナル、モノクローナル抗体を作成しており、それらの抗体を用いた肉芽腫形成や免疫活性化効果への影響を検討する予定であり、新たな知見が得られるものと確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
P.acnes由来蛋白に対するポリクローナル、モノクローナル抗体を用いた肉芽腫形成や免疫活性化効果への影響およびTyk2欠損マウスにおける肉芽腫形成応答喪失の分子機構をさらに詳細に解析する予定である。
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Research Products
(5 results)