2013 Fiscal Year Annual Research Report
自然炎症の恒常性維持に寄与する糖鎖修飾の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
24117717
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山本 美紀 (日野 美紀) 立教大学, 理学部, ポストドクトラルフェロー (40301783)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自然免疫 |
Research Abstract |
本研究では、自然炎症の恒常性維持に糖鎖修飾が関わっていること、また創傷や感染によって炎症反応が活性化した時に、糖鎖修飾が変化し、炎症反応の強さを制御していることを明らかにすることを目的としている。昨年度までの研究において、 1.自然炎症の恒常性に関わる糖鎖構造が、ガラクトースを含むN型糖鎖であることを同定し、2.その糖鎖は、Toll pathwayをはじめ、炎症に関わるシグナル伝達系に抑制的に働くが、3.炎症反応の活性化によってその糖鎖が減少し、その結果Toll pathwayが増強されている可能性を見出した。 今年度は、炎症反応の活性化に伴って自然炎症の恒常性に関わる糖鎖が減少するメカニズムについて検討を行った。糖鎖が減少する原因として、 (1)その糖鎖合成に必要な分子の減少や不活性化 (2)その糖鎖の分解に関わる分子の増加や活性化が考えられる。 (1)については、糖鎖合成に必要なガラクトースの輸送体であるSenju遺伝子の転写量を測定したところ、定常時と炎症反応活性化時で、顕著な差は認められなかった。(2)については、ガラクトースを含む糖鎖の分解に関わる分子として、ガラクトシダーゼが考えられる。ショウジョウバエにはゲノム上に少なくとも3種類のガラクトシダーゼ遺伝子がコードされているが、今回そのうちのある変異体においては、炎症反応を活性化させても糖鎖の変化が起こらないことを見出した。この結果は、炎症時の糖鎖構造の変化に、このガラクトシダーゼを介した分解系が関わっていることを強く示唆している。このガラクトシダーゼについても、炎症時に転写量の増加は認められないので、その分解系の活性化はタンパク量の増加、或いは活性の増強であると予測された。今後、ガラクトシダーゼが活性化するメカニズムについて、さらなる解析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)