2012 Fiscal Year Annual Research Report
人間とロボットの間の騙しのモデル化
Publicly Offered Research
Project Area | Founding a creative society via collaboration among humans and robots |
Project/Area Number |
24118703
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 助教 (30345798)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション / ソーシャルロボット / 騙し / 利他行動 / 信頼感 |
Outline of Annual Research Achievements |
人とロボットの間の騙しのモデル化に関係する次の2つの実験を行った.
1) 人がロボットの外見に応じてロボットに対する協調的・搾取的態度を変化させるかどうかを調べるために,成人を実験参加者として,対コンピュータ,対アンドロイド,対人間の3つの条件で繰り返し非ゼロ和ゲームを対戦させる実験を行った.実験の結果,人はアンドロイドに対して協調的に振舞うのではなく搾取しようとすることが分かった.対人間では協調的に振舞い,対コンピュータでは搾取しようとすることを考慮すると,この実験結果はアンドロイドは人としてではなくコンピュータとして捉えられたことを意味する.
2) 単純な表情変化が利他行動を誘発するかどうかを調べる参加者実験実験を行った.最後通牒ゲームにおいて,参加者がスライダーバーを動かして配分額を決定する1分間に提案額に応じた表情表出を行った場合,表情変化がない場合よりも,提案額が高くなることが分かった.このことから,表情が利他行動を誘発するプロトコルになっていると言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
社会心理学,認知科学の知見に基づき,人とロボットの関係について論理的考察を行い,仮説を立てた.そして,それらの仮説を立証するための綿密な計画実験に基づく参加者実験を3つ行った.いずれの結果も仮説を支持する明確なものであった.よって本研究計画は順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は騙しの数理モデルを構築することを目標としている.そのために,新たな心理実験を行うとともに,2012年度で得られた実験結果を研究会,国際会議,論文誌に発表する.
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